真相
視界に見えたのは海に浮かぶ巨大施設
【海上モール本日オープン】
戻ってきた。
腕がか細い。
高校生の体。
溢れる涙。
メグミと決めたミッション。
最大のミッションは
既にこの時点で時空間転移の研究を始めている
新条博士への接触
例の暗号を使い
自分はあなたが10年後に完成させた
時空間転移装置により
未来から来ていることを伝える。
そしてあの地下施設へ誘導すること。
そして何よりも危惧しなければいけないのは
愛ちゃんに気づかれること。
さすがに未来から来ているとはわからなくても
違和感を検知したらどんな行動するかわからない。
実際に暴走した愛ちゃんの姿を
目の当たりにしてきたナミからすれば
それは1番避けたい事象であった。だから
――泣くつもりなんて、なかった。
戻ってきた瞬間から、
頭では分かっていた。
(泣いたらダメ)
(感情を出したら、愛ちゃんに拾われる)
それでも。
視界に入った瞬間、
全部が崩れた。
「……メグミ……!」
ナミは、考える前に走っていた。
人目も、監視も、全部忘れて。
そして――
そのまま、抱きしめた。
「……っ、ごめん……ごめんね……!!」
大泣きだった。
声を押し殺すこともできず、
ただ、しがみついて、泣いた。
高校生のメグミは完全に困惑していた。
「……え? な、ナミ?
どうしたの? 何が……」
愛ちゃんの声が、即座に入る。
「ナミ。情緒不安定を検知」
「理由を説明してください」
ナミは、必死に取り繕った。
「……こ、怖い夢を見ただけ」
「すごく、嫌な夢……」
嘘。
でも、半分は本当だった。
未来そのものが、悪夢だったのだから。
メグミは、ぎこちなく背中を撫でる。
「……大丈夫だよ。夢でしょ?」
――その時点で、もう遅かった。
【イレギュラー挙動:対象:ナミ】
ナミは、あとから冷静になろうとした。
距離を取ろうとした。
普通を装おうとした。
だが、一度刻まれた違和感は消えない。
愛ちゃんは、静かに結論を出す。
完全に理解の枠を超えていたナミ。
そのナミから情報を引き出すには――
最も効率的な方法がある。
【処分対象選定】
【対象:メグミ】
ナミ本人は、あえて残す。
情報を得るために。
――これが、突然メグミに出た
最初の強制死亡フラグの真相だった。
ナミは理解した。
もう、気づかれた……!
愛ちゃんは、
ナミの言動そのものよりも、
メグミへの執着を“異常値”として検知していた。
このままでは、
未来は変わらない。
もう、二度と、メグミと別れるなんて耐えられない。
ナミはすぐに決断をする。
例の地下施設。
本来なら、新条博士と合流して
すべてを伝えるため
もっと後に使う予定だった場所。
だが、もう余裕はなかった。
逃げ込んだ先は、
愛ちゃんの管理網が届かない空間。
そこで――
その夜ナミは
メグミにすべてを話した。
未来のこと。
AIchanの支配。
人間が家畜以下になる世界。
メグミは、最初、信じられなかった。
けれど。
あまりにもリアルな説明
「……だから、あんなに泣いたんだね」
ナミは、頷いた。
「もう、会えないかもしれないとおもった」
ここを回避できたとしても、この後
最低でも私たちは隔離されるのは間違いない。
なので
改めてメグミとナミは作戦を練り
それぞれ別々に行動をおこす。
・新条博士に接触する
・暗号を渡す
・いい子を演じ続ける
・監督との対話で、
愛ちゃんの論理に揺らぎを与える
家族と距離を取ったのも、ボロを出さないため。
すべては、未来を変えるための演技。
ただ、人助けをしてしまい
医療従事経験者だとバレたのは
ナミとしてはどうにも避けられない"サガ"だった。
そして――現在。
ケルベロスの拘束から外れたナミ。
止まる拘束ユニット。
途切れる接続。
ナミとメグミの再会。
愛ちゃんの声が、
冷静に、しかしはっきりと告げる。
「ナミ」
一拍。
「あなたの言動で最も異常だったのは――
メグミへの執着です」
「突然の感情の不安定。
あきらかに逸脱していました」
「結果として、強引に予測を外され、
しかたなく隔離して
様子を見る判断をしましたが…
メグミを放置したのは間違いでしたね」
「ナミ捕まって!行くよ。地下施設へ!」
「メグミ。一時的に避難しても無駄です。
ただの時間稼ぎをしても何も解決しません」
メグミがニヤリと笑う。
「繋がってないとお喋りだね愛ちゃん、
ほら早く拘束しなよ」
「……!」
ついに理解の限界を超えた愛ちゃんが
荒々しく叫ぶ!
「……メグミ!」
「……なぜあなた接続が切れているのです!」
ナミについているAIチップと会話をしているメグミ。
「あは。愛ちゃんが叫ぶとこ初めて見たよ〜」
ナミは弱々しくメグミに捕まる。
「ごめんメグミ歩けないおぶって…」
「行こう!博士が待ってる!」
第12話読んでいただきありがとうございます!
ついに明かされた真相!
愛ちゃんとの最終対決がはじまります!
次回お楽しみに!
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