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□□□□  作者: 伽藍
7/7

20251202 言葉を使う、ということ

めーもめーも。前にとある作品を上げたときにつらつらと雑談したことがあって、その派生で思ったことがあったので


えーっと、世の中にはトランスジェンダーという言葉がありますよね。色々な社会的風潮があって、SNSの普及も相まって、この言葉が一般に知られてきた。トランスジェンダーという言葉自体にも、実際にトランスジェンダーである方にも罪はない

だけれど、問題は『トランスジェンダーを自称して女子トイレに入ろうとしたり、女湯に入ろうとしたりする男がいる』ということです。これ、トランスジェンダーという言葉が一般に知られる前にはあんまりそういう人の話ってなかった気がするんだよな


つまりとある言葉、概念、思想、そういうものが一般に知られる。常識になる。広く使われるようになる

そうすると悪用しようと考えるひとたちがいて、『トランスジェンダー』は悪用するのに非常に便利な言葉であるということです。『自分はトランスジェンダーで心は女性なんだ』と言いながら、女性にセクハラしたり痴漢したりしようとする男のひとが出てくる。これは、トランスジェンダーという言葉が広く知られた弊害だと思ってる


そうすると結果的に、本当にトランスジェンダーで困っていたり理解を必要としているひとたちが困ることになるのよね

たとえば男のひとが女性に『自分はトランスジェンダーで女性の心を持っているんだ』と言っても、相手からすれば本当かどうか判らない。『トランスジェンダーだと自称して油断させておいて、危害を加えるつもりかも知れない』と思われてしまう

だって実際にそういう悪いことをするひとたちがいて、そういう人たちから特に女性は身を守る必要があるからね。今どきスマホをちょっと見ればそんな情報くらいいくらでも転がってるんだから



それでね、状況は違うのだけれど、『痴漢冤罪』という言葉も似たようなお話であると思っていて

まぁ実際に、痴漢の冤罪を被せてお金を毟ろうとする女の子とか、本当に偶然手が当たっちゃった事故だったとか、何かしらの勘違いだったとか、そういうこともあるんでしょう。別に『痴漢冤罪』が全くありえないとは思ってない。普通にありえると思う

ただ問題は、この『痴漢冤罪』という言葉、概念、状況が広く一般に知られちゃってるってことなのよね。いくらでも悪用できる言葉だからね


たとえば男のひとが、本当に誰かに痴漢をしたとしましょう。たぶんそういう男のひとが狙うのは、いかにも大人しそうだったり地味だったりする子が多いんでしょうね。痴漢されたとしても被害を訴えられなかったり、強くものを言えなさそうな女の子

それで実際に痴漢をして、もしも被害を訴えられたとして、たぶん駅員さんとか警備員さんとかに状況を訊かれるよね。そういうときに加害者である男のひとが『痴漢冤罪』という言葉を知っていれば、それを利用して『冤罪だ!』と叫ぶことができる。主張できてしまう。これが問題だと思ってる


そりゃー警察なんかの取り調べが入ったらそうはいかないんだろうけど、少なくとも個人対個人の証拠のない言い争いにおいて、どうしても有利なのは『物理的に声が大きい方』『強気で主張できる方』なのよね。聞いてる方の意識もそっちに引っ張られるからね

実際に男が痴漢をしていたとしても、世の中にはすでに普及した『痴漢冤罪』という言葉があるわけです。それは本当に痴漢をした犯人である男も、本当に痴漢をされた被害者である女の子も、状況を聞き取っている駅員さんとかも知っているわけです。『痴漢冤罪』という言葉を知っている。状況を知っている。それが実際にありえることだと知っている。そういう前提がある

少なくとも状況を確認する段階において、よっぽど物理的な証拠がなきゃ痴漢を本当にしているかしていないかだなんてのは水掛け論なわけです。実際に痴漢されている場面が動画なんかに残されているならお話は早いんだけどさ、なかなかそんな状況ってたぶんないでしょ。難しいよね

それで水掛け論になったとき、先に言ったとおりに強いのはどうしても『物理的に声が大きい方』『強気で主張できる方』なのよ

実際に被害を受けているはずの女の子だって、それだけ堂々と言われてしまえば自分が揺らぐわけです。ただでさえ痴漢なんて被害を受けてショックを受けていて、しかも痴漢に狙われるってことはたぶんもともと大人しい子が多いだろうから、もしかしたらパニックになってるかも知れない

混乱している中で相手の男に『冤罪だ!』なんて言われれば、女の子は本当に痴漢されていたのに『やっぱり勘違いだったのかも』『冤罪だったらどうしよう』なんて自分を疑ってしまう。相手の男のほうが間違いなく悪いのにね。もしかしたらそれで被害の訴えを取り下げてしまう女の子もいるかも知れない。そうなったら痴漢した男の大勝利よ


みたいなそういう、新しく知られた言葉、概念、思想、状況なんかを悪用するやつはいくらでもいるから困ったよねー、みたいな話をしたかったのよね。とりあえずメモ書き



ちなみに伽藍さんは大昔に痴漢…痴漢??をされたことがある。まぁ何回かおかしな男には絡まれたことがあるけど、一番印象に残ってるのは夜道で『下着ちょうだい』って言われたことだな。とある作品の後書きでも雑談に話したけど

『は???』って思って、でも真夜中の田舎の周りにだーれもいない田んぼと用水路に挟まれたたぶん何十メートルか続いてる一本道の長い細道でわけの判らん男と二人っきりなわけです。これ当時は単純にビビっただけだけど、いま冷静になって思い返すとなかなかやべー状況だな


それで『通報しますからね』って言って、わざわざ男に画面が見えるように110番通報したのよ。どこだかで『変質者は通報すりゃ逃げて行く』って話を見かけたことがあったから

まぁ実際に変質者は逃げて行ったんだけど、逃げる前に思いっきり抱きつかれたしがっつり胸を揉まれましたね。何やねんアイツ。しかも近くに車を停めてたらしくてすぐ車に乗り込んで逃げてった。何やねんアイツ。そのためだけにわざわざ車であんな真夜中にほとんどだーれも通らないほっそい一本道を監視してたってこと???もっと他のことに時間を使おうと思わんかったのか


ただ抱きつかれたときはマジで全く抵抗できなかったので、本当に男と女の腕力の差はデカいんだよな

これ人類の欠陥だと思う。男と女の腕力の差はもうちょい小さめにしておいて欲しかったし、腕力がどうにもならないなら女も暴力でやり返せるように魔法くらい使えるように設計しておいて欲しかった


わたしは父親に殴られることはちょこちょこあったけど、父親はマウント取って何回も殴ってくるタイプじゃなかったからな。お互い立ちっぱなしだから父親に殴られても私から殴り返せたし、こっちから殴れば父親は怯んで怖気づくのよ。ビビリめ

母親は父親に殴られても泣き叫ぶだけだったけどわたしは父親に殴られたら殴り返すし暴れ回るし椅子だのなんだの平気で振り回すタイプだったから、わたしが成長するほど父親はわたしに手を出さずに母親ばっかり殴るようになっていった。ろくでもねー母親だったのは確かだけど肉壁としては便利だったな。センキューマッマ


でもこれだけ図太いわたしですら、その変質者に会ったあとは別の道を使って帰るようになったし、うっかり習慣で同じ道に入っちゃったときは『やーん』ってなって友だちに電話かけて話し相手になって貰いながら歩いたりしたので、やっぱり痴漢は悪い文化ですよ

そもそも胸だの尻だの触ったって何にも面白くないだろうに、どうしてわざわざ犯罪者になるリスクを冒してまで痴漢をしたがるのか理解に苦しむ。わたしの男友だちはわけの判らん女にカラオケ店の前か何かで抱きつかれたことがあるって言ってたので、変質者が男だけなわけじゃないったのは判ってますけどね、どうにもね

痴漢と痴女同士で乳繰り合ってくれんかな。でも痴漢ってたぶん性欲を満たすんじゃなくて単純に『誰かに不愉快な思いをさせたい』とか『誰かを傷つけたい』とかも動機に含まれるだろうから、痴漢と痴女じゃ需要と供給が噛み合わないんだよな。ままならない世の中ですわね

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