表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/6

紅咲椛は可愛いものが好き6

随分と期間があいてしまいましたが、なんとか書いてみました。

楽しみにしてくれていた方がいたらうれしい限りです!


私、紅咲椛(べにさきもみじ)雛人(ひなびと)高校に通う可愛いものが好きな女子高生!

今日は待ちに待った菜花(なばな)さんのお誕生日会!

そしてパジャマパーティーへへへへへ!!

私の全細胞が疼いていやがるぜ…。






爽乃(さわの)宅にて



「「「お誕生日おめでとー!」」」


パーン、と3人でクラッカーを鳴らす。

今日の主役、菜花呑華(なばなのばな)さんは少し照れくさそうな表情で、ケーキに乗ってるろうそくの火に息を吹きかける。

畜生ろうそくめ、その場所を代わってくれないか?菜花さんの息を吹きかけてもらえるなんて貴様…

この場に誰もいなければ今すぐハンカチを噛んでキーっと声を上げて嫉妬しているところだぞ…!


「みんなありがとぉ〜!美味しそうなケーキ〜!」


頬を少し赤く染め笑顔でお礼を言う菜花さん(かわいい。)は、

蒼海(あおみ)さん特製のショートケーキをじっと見つめている。


「こんなふうに友達に祝ってもらうのなんて初めてだからすっごく嬉しい〜!」

「こんなに喜んで貰えるとあちきも嬉しくなっちまうでやんすなぁ」

「ふふ、ありがとね。」


菜花さんは誕生日が4月8日と早い。

入学して仲良くなって、ある程度のグループが出来上がってくるのはだいたい1か月くらい。

そのころには菜花さんの誕生日はとっくに過ぎていることになるから…

確かに学校の友達に盛大に祝ってもらうことは難しそうだな。


「でもうなぎちゃんってほんとに一人暮らししてるんだ~!びっくりしちゃったよ~!」

「ふっふっふ、私は見かけによらない女なのさ。」


そう、そもそも菜花さんの誕生日会を爽乃さんの家でやっているのは、「私一人暮らししてるから、家でやろうよ!」という爽乃さんの発言があったからだった。

しかし照れくさいからと強引に話題を変えよったな菜花さん。

ういヤツめ。


「そんなことよりこのケーキだよ!ゆうかちん特製の!」

「えへへ、おいしくできてるといいんだけど」

「ほんとぉ!食べるのがもったいないくらいだよ」


そういいながら菜の花色のスマホでケーキの写真を何枚も撮る菜花さん。

ついでに目の前で顔がほんのり桃色になっている蒼海さんも撮ってくれないだろうか?

いや私がどさくさに紛れて撮るか。ケーキを撮っていますよー…って雰囲気でこう、パシャっとな。

よし行けた、盗撮完了。ククク…私の盗撮技術を侮るなかれ。

私が今までどれだけの盗撮をしてきたと思っている?

この間わずか0.2秒だぞ?

コホン、ばれていないとは言えきもいことしたんでね、ちょっとカッコつけて帳尻を合わせて、


「私が取り分けるよ」

「うん!ありがとぉ〜!」


ケーキを切り分けさせていただこうかな。

いちごが8個のってるから8等分にするか。いちごを崩さないように丁寧に…。

私はこういう作業は得意なのさ。


よし、まずは主役の菜花さんから…


「どうぞ菜花さん」

「ありがとぉ〜!美味しそ〜!」

「うひょ〜!もう待ちきれんな!」


そう言って菜花さんのケーキに今にも飛びつこうとする爽乃さん。この後みんなにもお皿を渡すというのになんて愛らしい生き物なんだろうかこの小動物は…。待てを聞かない子犬のような…。

ケーキじゃなくて私に飛び込んでもいいんだよ?

大丈夫優しくするからげへへ…何にも怖いことなんてないんだよ?

何をするかって?そんなの決まっているじゃあないか、わざわざ聞いてくるなんて君はほんとに…

ぐふふ。


ㇵッ!?いかんいかん。私としたことが我を忘れるところだった。


「ダメだようなぎちゃん、最初は主役からだよ」


蒼海ママ…好き。

ちょっと怒った表情も良き。また盗撮しよ。パシャ


「もちもちろんろん!わかっているとも!わかっているけども…じゅるり」

「ふふ、みんなで食べよっか」


菜花ママもさすが…。あの無邪気なワンちゃんである爽乃さんを手名付けるとは。


「「「「いただきます!」」」」


フォークをケーキに入刀して一口サイズになったそれを口へ運ぶ。


―う…うますぎる。このケーキを蒼海さんが?実はお店で買ってきたの~なんて言われても秒で納得できるレベルのおいしさ…。本当においしいものを食べると言葉が出ないと聞いたことがあるが、本当にでないものだな。ほかのみんなも黙りこくっているのがいい証拠――。


「ゆうかちんのケーキ最高だよ〜!」


うん、爽乃さんは平常運転だ。

しかしこれだけのケーキだ、何かコメントをせねば。


「ほんと、お店で出せるよこれ」

「う~ん!おいひぃ!こんな素敵なケーキをありがとう、ゆうかちゃん!私ほんとにうれしい…。」

「へへへ、ど、どういたしまして…。」


おいおい蒼海さん、顔がぶつぶつのないショートケーキのイチゴみたいだぜ?

ケーキだけじゃなくてこっちのイチゴもいただいちまおうかな?


「そういえば、みんなの誕生日はいつなの~?私みんなの誕生日パーティーもやりたい。」


誕生日パーティーがよほどうれしかったのかそんなことを口にする菜花さん。でも私も気になっていたからこの質問は助かる。


「あたいは1月16日だよー!まだまだ先ですわとほほ。」

「私は8月10日、もみじちゃんは?」

「10月31日、ハロウィンだよ」


インプット完了。次誕生日パーティーするなら蒼海さんか。しかし蒼海さんって名前といい見た目といい夏がすっごく似合うんだよなぁ。おっきい麦わら帽子に白いワンピース着て浜辺にいてほしい。そしてその浜辺で追いかけっこしたい。


「ハロウィンで思い出した!みんなでアレをやろうと思って用意してたんだよね」

「「「アレ?」」」


ハロウィンで思い出すアレとはなんのことだろうか?

ハロウィンというと、かぼちゃとトリックオアトリートで()()()くれなきゃいたずらしちゃう的なやつぐらいしか…。

爽乃さんを除く3人で顔を見合わせ首をかしげてみたものの答えは出ないな…。

爽乃さんは私たちの顔をじっと見つめた後にレジ袋から何かを取り出して、


「パッキーゲーム!!」


――私の顔面に強烈な右ストレートが放たれた。


……っ!? なん…だと…!?

それは…いいのか!?許されるのか!!?

パッキーとは細い棒状のチョコレートの()()()のことで、パッキーゲームとはそのお菓子を2人で端から食べていき最終的にはキッスできるという、キスの神様もにんまりと笑い歯茎をかぴかぴにさせてしまう光のゲームだ。



――ナイスアイデア爽乃さん。



「いいね、やってみようか」


いたって自然に、クールに発言する。ここで歯茎を見せてはいけない。


「えっ!?もみじちゃん意外と乗り気!?」


蒼海さんは慌てた表情を隠しきれていないな。好きな人とキッスできると思うと興奮しちまうか?

だが残念なことに、私のターゲットは君じゃない。

爽乃さんからパッキーを一つ受け取って―。


「はい、菜花さん」


「ふぇ!?わ、わたし!?」


「もちろん、主役だからね」


「ひゅーひゅーおあついねえ」


「あわわ…」


そう、ターゲットは菜花さんだ。なんたってこの誕生日パーティーの主役だし、()()()()()()()()()しね。

私の目的は百合ハーレムを作ること。堕ちていない女性は必然的にターゲットになるわけさ。

できれば爽乃さんまでいきたいところだが、今回は見逃すとしよう。時間はたっぷりあるんだしね♡


「ほ、ほんとにする…の?」

「菜花さんは私とするの…いや?」

「い、いやではないけど…はずかしいなって…」


口元に手を寄せ目線を外し、頬を赤く染めるその表情…。

なんて顔してやがるじゅるり…。まだ何もしていないのにその表情だなんて、これからどうなるか楽しみで仕方がないぜ。


「じゃあ、いいよね?」

「っう…うん…。」


私が口にくわえたパッキーの反対側を恐る恐る口にする菜花さん。

こちらに目線を送ったり外したりを繰り返している菜花さんをまじまじとみながら、サクサクと食べ進めていく。



―――アカン。



もう冷静を保っていられない!!心臓の音がデカすぎる!なにこれ深夜に爆走してるバイクの音よりでけえよ!聞かれてないよな?頼むバレないでくれ!

こんなに可愛い顔が至近距離にあって冷静でいられるものか!


ゥグ!!!吐息…?!吐息が!!いや鼻息か?!どっちでもええわ!

ハッ!?これで図らずも誕生日ケーキのろうそくと同じで菜花さんに息を吹きかけてもらえたぞ!

どうだろうそくっ!これで1対1だな!!

ってこんなしょうもない張り合いやっとる場合か!


やるのか私!?ほんとに接吻しちまうのか私!!?

ただいまキスする5秒前って感じ!?

ひよるな私!直前でパッキーを折るような中途半端な中折れはあってはならない!

あわああわ…菜花さんの顔が!近い!!というか菜花さん意外と積極的だな?!実はこういうの慣れてたのか??人畜無害な女神を装ってその実プレイボーイだったのか?!それはそれで興奮するな!

えええい!ままよ!!!


ここで我が秘術《合法かつ(ファースト)自然な接触(コンタクト)(イグニッション)》を発動する!!!

この合法的なキッスにより相手は堕ちる!!!


残り数センチのパッキーを勢いよく食べると同時に――。






ちゅ






紅咲椛の走馬灯◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




――それは1秒だったのか、10秒だったのかわからなかった。

柔らかい感触が唇にあった。それは菜花さんの唇に他ならないのだが…。

マシュマロ?グミ?桃?なんとも比喩できない感触だった。その感触と同時に脳内にあふれる存在しない記憶。あるいは存在しない未来。


『私と、結婚してください』

『もちろん!』


私から彼女へのプロポーズ。


『うわー!いい景色~!』

『ふふ、ほんとだね』


初めて行った新婚旅行。


『ねぇ、いいよね…?』

『う…うん。やさしく…して…ね?』


そして初めての――。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




「もみじちゃん!?大丈夫?!」




あれ、私、意識、ある、よね??















次はいつになることやら…とほほ…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ