紅咲椛は可愛いものが好き2
勢いのままに2話です。
前書きあとがきって何を書けばいいんですかね?
毎回(2回だけ)困っております。
私、紅咲椛は今日から雛人高校に通う可愛いものが好きなだけの女子高生!
入学初日(それも家の玄関出てすぐ)から、瑠璃色の髪の天使に出会ってウッキウキ!
ガールズトークに花を咲かせながら登校!無事に入学式も終了!!
今は教室でまったりしているところなのだ!!
「おんなじクラスだねー!」
「ほんと、偶然だね。」
「席も前と後ろだなんて。」
登校中(それも家の玄関出てすぐ)に出会った天使とまさかの同じクラス、そして席がその天使の後ろ…。
こんな運命ある?
今すぐ抱きしめてキスして愛の言葉をささやいてそのままランデブーしろっていう天啓じゃん。
と、私が頭の中でウェディングベルを鳴らしていると目の前の可愛い女神が、あっ、そういえばという顔をする。
「自己紹介がまだだったね!おしゃべりに夢中で忘れてた。私、蒼海夕夏!改めてよろしくお願いします。」
ぺこりと頭をさげる蒼海さん。その頭上には天使のわっかがついていてもなんら違和感はないだろう。
実は背中に小さい羽がついていないだろうか?
まずい…。私の全細胞が目の前の天使を欲している。
よし、堕とそう
「紅咲椛、もみじでいいよ。こちらこそよろしく。」
「へっ!?あっ、うん…。よろしく…。」
ククク…。
これぞ我が秘術、《天使を射ち堕とす瞳》。
能力、この瞳を見たものは、私に、堕ちる!!!!
見よ!!蒼海夕夏の頬が赤らんでいく!!!
紛れもなく堕ちた証拠だ!
フハハハ!!なんて哀れな天使…!こんな面がいい(実際良い)だけの女にまんまと堕とされてしまうなんて!
私はなぁ!!友情・努力・勝利を掲げる作品の登場人物じゃない!
ゲームの世界で無双する二刀流の剣士でもない!!
異世界転生して「また俺なんかやっちゃいました?」なんて言う主人公でもない!!!
この現実世界で一方的に女の子を蹂躙するエゴイスト!
紅咲椛だ!!!!
「あっ…の、もみじちゃんって、こ…恋人…とか、いるの…?」
「ううん、いないよ。」
「そっ…か…。」
んん~?どうした堕天使。
なぜそんなホッとしたような表情なのかなぁ~?
「そういう蒼海さんは恋人いるの?」
「へぁ!?うううん!!全然…!いたことも…ない…よ?」
「気になる人とかは?」
「そそそれは…!ぇと…いなくはない…かも…。」
秘術、《天使を射ち堕とす瞳》を食らった人間の反応は大きく2パターン。
1つは食らった直後に好意をむき出しにするもの、2つ目は食らってもなお好意を隠そうとするもの。
今回は後者だろう。
ま、どっちでも私に好意があるのはバレバレなんだけど。
「蒼海さんはどういう人がタイプなの?」
「あぇ!?んと…その…」
「ん?どうかした?」
私は顔をそらした蒼海さんの視界から外れないよう、顔を覗き込む。
「―――ッ!?」
「顔、真っ赤だけど熱でもあるの??」
彼女の額に手のひらをあてる。
これぞ我が秘術、《合法かつ自然な接触》
「あっ、あっ…、ぁぅ…。」
能力、相手は倒れる。
耳まで真っ赤にさせ、やかんのように頭が沸騰していた蒼海さんは背筋がピンと張ったまま倒れこんだ。
やれやれ、刺激が強すぎたみたいだね。
ところで、教室で人が倒れてしまったらみんなはどうする?
そうだね、
保健室に連れて行かなきゃね。
読んでいただきありがとうございました!
なんかもみじがえらいことになってしまった…。