“嘘から始まった” 僕と君の恋愛が回り出す!
僕は彼女に嘘をついてしまい、そこからその彼女と付き合う
事になった。
ある日、僕は男友達とふざけて誰が一番クラスで可愛いのかという
話になり、“僕は田辺玲愛という女の子が一番可愛いと思って
いたのだが、他の奴が先に田辺玲愛の事が一番クラスで可愛いと言われ、
僕は仕方なく、想ってもいない江下紗希という子が一番可愛いと言って
しまった。
それならと悪ふざけをし出した男友達が、僕にこう言ったんだ!
『“じゃあさ、江下紗希と瑠斗が付き合えるように俺達が協力して
やるよ!”』
『えぇ!?』
『嬉しいだろう!』
『・・・あぁ、まあ、そうなったら嬉しいとは思うけど、』
『“いや、俺達が絶対に! 、江下紗希と瑠斗を付き合わせてやるよ!”』
『・・・・・・』
『絶対に上手くいくから、なんにも瑠斗は気にしなくていいぞ!』
『・・・でもさ、無理して付き合ってもらっても、無理なら無理で、』
『イヤ絶対大丈夫だ! 上手くいくから、気にすんな!』
『・・・で、でもさ、』
『江下紗希と瑠斗が付き合える事だけ考えてろ!』
『・・・あぁ、でも、ううん、』
【よし! やるぞ!】
【おーう!】
『・・・・・・』
・・・なんでこんな事になるのか?
“僕は本心じゃなかった!”
僕が本当に可愛いと想い好きなのは? “田辺玲愛”だけだ!
他の女の子なんて僕は全く見てないのに!
それなのに、たまたま僕の隣の席の女の子が江下紗希だっただけ。
その名前を言ったために、僕は彼女と付き合わせられそうになっているのだ!
でも? まさか? マジで僕は江下紗希と付き合う事になってしまった。
バカな男友達どもが、本気で江下紗希に僕がどれだけ彼女の事を好きなのか
熱弁したらしい!
そして僕は渋々、江下紗希と付き合う事になる。
最初は正直、“好きでもない女の子と付き合うのは嫌だな”という気持ちが
勝っていたが、次第に彼女に惹かれている僕がいた!
『・・・なんか、ごめんね、まさか? 江下と付き合う事になるなんて
想ってもみなかったから。』
『“そうだよね、本当は幸田君って? 誰が好きだったの?”』
『えぇ!?』
『“見てたら分かるよ、私の事なんか好きでもなかったんでしょ!”』
『・・・・・・』
『“幸田君って、バカ正直に顔に出るタイプだよね!”』
『・・・ご、ごめん、』
『でもいいの? 私と付き合ってても。』
『別にいいよ、田辺さんって? 他に好きな男子がいるって
聞いたこともあるし。』
『・・・だから諦めるの?』
『えぇ!?』
『好きなら諦めない方がいいよ! 頑張りなよ!』
『・・・で、でもさ、僕なんて、絶対に田辺さんは見てくれないと
思うんだよね、』
『“私も協力するから、もう一度! 頑張ってみたら?”』
『・・・あぁ、ううん、』
・・・正直に言うと? あの時の僕は気が進まなかったんだ。
“既に僕は、江下紗希を好きになっていたから!”
それなのにこんな展開になるの?
好きな子と今、付き合ってるのに他の女の子と付き合えるように彼女が
僕に協力してくれている。
なんなんだよ、この展開? 僕は一体どうしたらいいんだ?
僕は正直に、江下紗希に僕の想いを伝えないといけなんだと気づいたんだ!
ハッキリ彼女に言ってやる!
僕が今どれだけ君の事が好きか、伝えないと!
【えぇ!?】
『・・・幸田君? 紗希からいろいろ話聞いたよ。』
『・・・えぇ!? あぁ、ううん、』
『“紗希とわたしとどっちが本当は好きなの?”』
『・・・た、田辺さん、』
『もう直ぐ紗希もココに来るから、ちゃんと私達の前で答えて!』
『・・・あぁ、う、ウソでしょ? なんで?』
『なんでって、幸田君が優柔不断だからじゃない!』
『・・・・・・』
・・・もう僕はダメだ!
“どちらとも答えられない!”
どうやったら、この場から逃げられるか?
そればっかり僕は考えていた。
そう想っていると? 男友達がたまたまなのか通りがかってくれて、
一先ず、この場から逃げられた!
“本当に助かったよ!”
『幸田は本当にお前、いいよな~あんな可愛い女の子2人にスキとか
言われてさ! 俺はめちゃめちゃ羨ましいよ。』
『・・・そ、そっか、僕は必死であの場から離れたくて、』
『お前は贅沢なんだよ! 今好きな女の子と好きあえばいいじゃん!』
『・・・そ、そうだよな、そうだよ!』
『なんか俺いい事言った?』
『ありがとう、答えが出た!』
『・・・あぁ、』
“嘘から始まった” 僕と君の恋愛がいつの間にか回り出していた!
噓から始まる恋愛も悪くないな。
今の僕が好きなのは、“君なんだと気づいたんだ!”
だからそう君に伝えるよ、少しだけ待っててね。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。