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サモンズキング  作者: 保育園生の絵日記
異世界からの少女
15/25

13,5 迷宮深部のタブーの扉

 茜に置いて行かれ、星魔を送り出したヴィスカは、はっきり言って手持無沙汰だった。

家事全般をこなしている理恵に手伝いを進言したもののオブラートにゆっくりしててと言われたが、はっきり言って戦力外通達を受けた。

 それを察してかヴィスカは、ハイの1つ返事でソファに座り家中を見渡していた、友達の家に初めて遊びに言ったかのような、見たこともないトンデモ物体Xが占拠しているこの部屋だが何度も言うがここはヴィスカにとっての王家であり、あまり物色するのはよくないだろうことは好奇心の魔魔物ことヴィスカにも理解できた。

 床では我が物顔でルーン・バスターが()()と戦っているというのに私ときたら、朝型庭の見回りをしただけでこのありさまだ。


 「はぁ・・・」

 深いために息とともに幸せまでもが逃げていく。

 テレビの中では今日も小人が笑顔で話している、話の内容は何となく理解できるものの、興味をそそられるかと言われると話は別だ。

 手持ち部沙汰上級者にここで救いの手が入った。

 

 「ヴィスカちゃんこの家は迷宮なの、一度探検でもしてみたら?」


 迷宮と言われればあれだ、階層に分かれていて、階を下がるか上がるかするたびにモンスターが強くなり、最後の階層には迷宮の守護者などと呼ばれる番人が住んでおり、その番人を倒すとその迷宮のお宝が手に入るとかいう・・・


 「まさか、殿下がこの迷宮の守護者・・・というわけですか?」


 「まぁ近からずとも遠からずと言ったところかしら」

 理恵は手に持った杖もといコードレス掃除機を片手に持ち、構えた。

 普段から星魔を取り扱っている理恵からすれば、ヴィスカの気持ちを操るなど朝飯...はもう食べたので昼飯前だろう。

 

 スペシャルスキル:【精神操作】とでも言ったところだろう。

 

 「め、迷宮!?」

 目に神様でも住んでいるかのような神々しい輝きの眼の純真さに後退りしつつも。


 「今この迷宮を踏破できるのはヴィスカちゃんだけだわ、部屋の中を1つ1つ探検してしきてちょうだい!」


 「はっ! この命に変えても...殿下を倒すと言うことでしょうか?・・・」


 「パパは今、魔物に操られているのよ! 助けてあげて!」

 突然の切り返しに驚きながらも流石は精神操作の使い手、ヴィスカの誘導に成功した。

 ヴィスカは静かに頷き慎重に行動し始めた。

 

 「あ、でも2階に上がって一番奥の部屋の押し入れだけは絶対に開けちゃダメよ!あそこには魔物の巣があるから、いい?」


 「最前の注意を払います」

王族の住む家がなぜ迷宮で、魔物がいるのかと言う触れては行けない場所には触れずにヴィスカは召王家迷宮へと一歩足を踏み入れたのだった。

 キッチン、ダイニング、リビング、風呂場、トイレ。

 もはや危険分子はないことは確認済みだが、それでも近衛兵副団長たるもの確認は怠らず、注意深く各所を見回るも異常は確認できなかった。

 

 「ここか」

 2階へとつながる階段を見上げるヴィスカ、上には星魔や茜の部屋と理恵たちの寝室があるのだが、一番奥には未だ未開拓の地もある。

 覚悟を決めて階段へと一歩、足を踏み出そうとしたその時だった。

 ヴィスカの足元に何か当たるものがあった、ルーン・バスターだ。

 俺も連れて行けと言わんばかりに階段へ衝突しているルーン・バスターに気づいてか。

 

 「お前も二階へ行きたいのですか?」

 意思の疎通など計れるはずもないルーン・バスターは頷いているかのように、高速スピンをしてみせるのだった。

 昨日の敵は今日の友、ヴィスカはルーン・バスターを抱え、2階へと進んでいった。


 「流石に何もないですね」

 理恵たちの寝室は、この世界に来た時に訪れてはいたので、初めての開拓となるのは星魔の部屋だけだったのだが、やはりというべきか何もないがそこにはあった。


 残るは絶対禁忌の2階通路の一番奥の部屋を残すのみとなった。

 扉の前まで来たヴィスカは、ドアノブに手をかけ、固唾をのむ。

 扉を開くと、ルーン・バスターが先陣を切った。

 そこには魔物(埃)がいた!

 あまり使われていない部屋は明確で、理恵も時々しか掃除はしておらず、荷物が積まれていることもあり、細かいところまでは手が届かないのだろう、ルーン・バスターは部屋の隅々にわたり魔物を討伐していった。

 あらかた片が付いたところで、ヴィスカの目についた押し入れ。

 絶対に開けてはならない禁忌の扉の前でヴィスカは思わず立ち止まってしまった。

 ルーン・バスターがこれでもかというほどに、扉に対して攻撃を繰り出していたからだ。

 

 「だめですよルーン・バスターそこは開けてはいけません!」

 理恵の言うことは絶対。

 それは王家に仕えるものとして当たり前のことだった。

 だが、ルーン・バスターは止まらなかった。

 この奥には何か禍々しいオーラを感じる。

 ヴィスカの剣士としての感がそう告げていた。

 引き出しの取っ手に手をかけ・・・踏みとどまる。

 これを開けたらどうなるのだろうか、魔物が襲い掛かってきたら・・・理恵を守り切れるか?

 それとも国の重要な機密文書が眠っているのだろうか。

 思考を巡らせるが、結論より先に手が動いていた。


 「うぅぅぅぅぅぅぅ」

 圧倒的に重量に押しつぶされそうになるヴィスカだが、すんでのところで踏みとどまるヴィスカ。

 

 「あら、やっぱり開けちゃったのね」

 こうなることを予期していた理恵が後を追って部屋に入ってきた。

 その重力の原因となった()()をヴィスカと共に押し込み。


 「昨日久しぶりにヴィスカちゃんが来たから布団を出そうと思って押し入れを開けたのよ、そしたら使っていなかった布団が多かったからこの布団で寝させるのはかわいそうだと思って、後で干そうと思ってとりあえずで詰め込んじゃったの」

 

 「なるほどだから、なだれ込んできたわけですね」


 「そういうこと、どうだった?探検は」


 「異常はありませんでした!」


 「そう、ならよかったわ」

 かくして、アリーシャ・ヴィスカの迷宮攻略は幕を閉じたのであった。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます!

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