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勇者パーティを追放された万能勇者、魔王のもとで働く事を決意する~おかしな魔王とおかしな部下と管理職~  作者: 龍央


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第56話 勇者、事情を聴く



 馬を近くの丈夫そうな木に繋ぎながら、二人と話す。

 今回は逃げられないように二重にしておいたから、もう逃げられる事は無いだろう。

 話の途中、そう言えばと思い出して、何故リィムとマイアが一緒にいるのかを聞く。

 何も考えず、ついて来ると言った二人を連れて来たからな……。


「ルインは国王様に捕まったなのよ」

「はぁ!?」


 マイアの言葉に驚く。

 まぁ、色々と裏で悪事をしてたようだから……それが見つかったか?

 よく考えると、驚く程の事でも無かったな……勇者である俺を追い出しておいて、勇者パーティとか言うような馬鹿だからな。


「国中に手配書が回っていたようなの。それで、ルインと一緒にいた他のメンバーも捕まったみたいよ」

「国王様が怒ってるみたいなのよ。カーライルが魔王国に来た事で、勇者が国外流出したって……なのよ」

「国王には、直接会って話したんだがな……あーそう言えば、魔王国に行くって言った後何か言ってたっけ……? よく聞かずに城を出たからな……」

「国王様の話を無視するなんて、カーライルにしかできないわよ……」

「きっとその時、引き留めようとしたなのよ。でもカーライルは行ってしまった。だからルインに恨みが向いたなのよ」

「カーライルがいなくなった後は、いろんな村で人を騙して甘い汁をすすってたらしいからね。捕まって当然だわ」


 国王の八つ当たりと、ルイン自身の身から出た錆で捕まったのか……まぁ、自業自得だな……同情の余地はない。


「カーライルがいなくなった後のルインは酷かったなのよ。自分が勇者だと言い張って、口先だけで色んな人を騙して……」

「誰か注意する奴はいなかったのか?」

「そんなのいないなのよ。ミオリムは男を品定めするのに夢中だし、ムオルナはルインから手柄をかすめ取るのに必死だったの」

「ミオリムは相変わらずか……ムオルナはルインから手柄を取れたのか?」

「全然なのよ。結局ルインは人を騙す事ばかり上手くて、手柄なんて一つも無いなのよ。魔物の討伐にも失敗するし……なのよ」

「そうか……」

「結局皆、カーライルがいないとまともに活動できなかったのね」


 ルインが自分の事を勇者だと言い張る、という部分だけは気になったが……結局は行いが悪かった事と身の丈に合った魔物を倒そうとしなかったから、という結果なんだろう。

 ルインから離れた事で、マイアは乗せられていただけという事に気付いたのかもな。


「色々話したい事もあるが……とりあえずサラマンダーだな」

「そうね。どこにいるのかしら?」

「デカいから、近くにいたらすぐにわかるなのよ」


 馬を繋ぎ終わり、話しを終えて本来の目的へと向かう。

 三人で火山に入り、サラマンダーを探す。

 確か、サラマンダーは火口付近にいる事が多いんだったな……魔法の準備をしておくか……。


「あれ、何か忘れてるような……?」

「どうしたの、カーライル?」

「何も忘れてなんかないなのよ?」

「いや……重要……でもないか……何かを忘れてるような……まぁ、思い出せないなら、どうでも良い事なんだろう」


 そう思い、坂を上って頂上を目指す。

 活火山だから、火口にはマグマが溢れている事が予想できる。

 念のため、先に魔法を掛けておこうかと準備を始めた所で、後ろから叫び声がした。


「ちょっとぉぉぉぉぉ! 私を置いて行かないで下さぁぁぁぁぁぁぃぃぃぃぃぃ!


 叫び声と共に、走って来るのはフランだった。


「あ、そうか。フランを忘れてた。……忘れてても良かったな」

「酷いですよカーライルさん! 私を置いて行くなんて!」

「いや……忘れ……じゃなくて、息が苦しそうだったからな、休ませてやろうと思って……」

「今忘れてたって言いかけませんでしたか!? 私をあんなところに置き去りにして、何かに襲われたらどうするんですか!?」

「お前、丈夫そうだから大丈夫だろ?」

「乙女をそんな扱い! そんな事だからモテないんですよ!」

「おい、それは関係無いだろ!」

「いいえー、関係ありますぅ~」


 火山を登りながら、俺と言い合いを始めるフランだった。




別の作品も、連載投稿しておりますので、ページ下部のリンクよりお願い致します。


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