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勇者パーティを追放された万能勇者、魔王のもとで働く事を決意する~おかしな魔王とおかしな部下と管理職~  作者: 龍央


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第40話 リィムとマイアの情報収集



 カーライルがチックハーゼのいる山に入っている頃、魔王国内にあるとある村にて、リィムとマイアの姿があった。

 二人は村長のお婆さんから、カーライルの目撃情報を得ようと四苦八苦しているようだ。


「だから、お婆ちゃん。勇者を名乗る男がここに来なかったか聞いてるのよ。どうなの?」

「はえ? なんじゃったかいの……あぁそうそう、今日のご飯は食べたんじゃったのう……」

「ご飯の話じゃなくて、勇者の話なのよ」

「融資? この村は自己採算で成り立っておるんじゃ、融資なんぞいらんぞい」

「融資じゃなくて、ゆ・う・しゃ! なのよ!」

「はぁ……カーライルは一体どこにいるの……? 魔王国に来たのは良いけど、この広い国で一人を探すのは大変ね……そこまで考えてなかったわ」


 リィムはお婆さんにカーライルの事を聞く事を諦めて、溜め息を吐いている。

 マイアの方は根気強く話しているようだが、この分だと期待できそうに無い。

 カーライルに会うため、魔王国まで来た二人だが、詳細な情報が得られず困っていた。

 勇者の事を誰に聞いても、知らないと言う答えしか返って来ないからだ。

 それもそのはず、カーライルは勇者という事を魔王である、アルベーリと部下のフランにしか言っておらず、この国では活動期間も短いために、認知されている存在では無いのだ。

 一部で、カーライルという名前と、頭のネジが緩んだ女と一緒にいる、という事だけが知られている。


「私ゃイクメンに目が無くてねぇ……女にゃ興味無いんだぁよ」

「誰もお婆ちゃんの趣味は聞いてないなのよ。それにイクメンじゃなくてイケメンなのよ」

「おぉ、そうじゃったそうじゃった。イケメンと言うんじゃったの……そう言えば先日、そこそこのイクメンが来たのう」

「だから……まぁ良いわなのよ。それで、その男は勇者って名乗らなかった?」

「どうじゃったかのう……そうじゃ、胸部装甲が異常に分厚い嫌味な女と一緒に来たのう」

「胸部装甲……なんでそんな言葉を知ってるのなのよ……女、ねぇなのよ……? じゃあ、違うのかもしれないなのよ」


 マイアが聞いた男女の話は間違いなく、カーライルとフランの事なのだが、フランの事を知らないマイアは、それが目的の人物である事だとは思わない。


「カーライルが女と一緒に行動をする……か……無いとは言えないけど、それはちょっと悔しいな……」


 お婆さんとマイアの話を聞きながら、ぼそりと呟く。

 リィムの頭の中で、お婆さんの話した男女が、カーライルと見た事の無い美女に変換されていた。

 その想像が正しい事だと気付かず、頭を振ってイメージを消した。


「仕方ないなのよ、他に情報が聞けそうな場所に行くなのよ」

「そうね、その方が良さそうだわ。ロラント王国に近い場所だから、カーライルが寄ってると思ったんだけど、外れだったわね」

「大外れなのよ」


 お婆さんとの話を打ち切り、二人は村を離れる。


「魔王城に行けば、何かわかるかもね……」

「魔王国の首都なのよ。魔族も多いから、情報もいっぱいなのよ。でも、この短期間でカーライルがそこまで行けるのなのよ?」

「馬車嫌いだったものね……歩いて行けば、相当時間が掛かると思うわ」


 正確には、走ってロラント王国から魔王国に入り、そのまま王城に行ったのだが、その事を二人は知らない。

 何故なら、パーティで行動していた時、カーライルが走って移動する事は無かったからだ。

 パーティメンバーを置いていくわけにもいかないため、カーライルは歩いての移動を主にしていた。


「魔族が多ければ、情報も集まるなのよ。行って見るなのよ?」

「そうね……勇者は目立つもの、誰かが知ってる可能性も高いわ。行ってみましょう」


 村を離れた二人は、一路北へと馬を走らせ、王城を目指した。

 それが当たりである事を知らずに……再会の時は近い……のかも?



別の作品も、連載投稿しておりますので、ページ下部のリンクよりお願い致します。


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