表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パパは破壊神(デストロイヤー)  作者: 空風林
第一章 北方争乱篇(上)
12/21

◇Two nights carnival その9◇

今日は書ける時間あったので、夕方ですが投稿させて頂きます。

よろしくお願い致します。

俺たちは円陣を組んでいた。

良く、バスケの選手なんかが試合前にやるアレだ。

片手を重ね合わして、親父がそれを上下から両手で挟んでいる。


これで、俺、クラースさん、カトリーナ、ロタの4人は、

思考や感覚を一部共有出来るのだそうだ。


一部というのはどういう事かと言うと、

自分が伝えたい事のみという事らしい。


つまり、シェアリンクを張る権利は自身にあり、

思考や感覚全てを共有してしまう訳ではないのだ。


『全部繋いでしまったら、一人がダメージ受けたら全員痛いぞぉ。』

とは親父の言。


その親父はと言えば、リンクを組むのが難しい。

というのも、親父は人間の身体なので、

術式を書き込めるだけの容量が魔術核にないのだそうだ。

まぁ、これは仕方ない。


術式を組んでもらってる間に聞いたのだが、

実は、この術式、ベースのテンプレは、

クラースさんの魔術核にある眷属からの情報伝達術式と、

異世界では標準装備の言語変換術式を上手く組み合わせたニコイチなのだとの事。


『眷属からの情報伝達術式を相互に組み込むんだぁ。

 ただ、それだけだと情報量が少ないから、

 交信には言語変換術式のパイプを使うようにしたぁ。

 言語変換術式はニュアンスを相手に分かり易く具体化する

 変換機能を備えているから、これを視覚的な感覚まで広げる。

 これで、思考リンクの出来上がりだぁ。』


という事だった。

親父がちょいちょい色んな術式を組めるのは、

長年の経験で、多数のテンプレを持っていて、

必要に応じて、使えそうなモノを、

部分的にカスタマイズしているみたいだ。


ちなみに言語変換術式に関しては、

こっちにくる時に無断で俺にも書き込みしていたらしい。


今更ながら、それで言葉が通じていたのかよ。

気づかない俺も俺だが。


何はともあれ、準備の整った俺たちは湖畔に向かった。


森の切れ目ギリギリで、まずは様子を伺う。


ヴィッシーは水際に陣取り、

長い尾を身体に巻き付ける様な体勢で周囲を警戒している。


『アレ?昨日と雰囲気が違くないか?』

『えぇ。なんか、邪気があるというか、、』

『顔が蛇に近づいた様に見えますな。』


早速、思念リンクで会話をする俺たち。感度は良好だ。

カトリーナが金瞳(解放はしていない)に切り替えて、

映像を共有してくれた。


ナニあの禍々しいオーラ!

どっかのとんでも魔法みたいじゃん!


『参りましたな。

 昨夜の戦闘で、てっきり水属性かと思っていたのですが、、

 アレは魔属性。私の闇属性と近しい属性です。

 無効化はされないまでも、

 相当威力は削られるものと推察されます。』


『戦闘モードってことかしらね。

 昨日とは大違い。

 下手するとA4じゃ済まないかも。』


象太郎しょうたろう。どうする?』


どうしたものか。

戦闘は極力避ける。そこは変わらない。

しかし、、万が一の事を考えると、

不確定要素が多すぎる。


元々、一か八かの話だったが、

今となっては、十中八九アウトだな。


『みんな、一時撤退を、、』


「気づかれたぞぉ。」

「えっ!」


慌てて視線を戻す。

にわかには信じられない事だが、

巻いていた尻尾を、バネの様に使い、

ヴィッシーが跳躍した!


30m近いであろう巨体が、

宙を舞い、俺たちに向かって飛んでくる。

あんなのの下敷きになったら、、、

イナバの物置だってひとたまりもないぞ!


「退避だ!!」


叫ぶと、俺は加速を使い、親父を抱えて飛び退いた。

一瞬遅れてヴィッシーが森に突っ込む。

『バキバキッ!!』音を立てて折れる木々。

そして、振動で文字通り地面が揺れた。


『みんなは!?』

『無事です。』

『こっちも大丈夫!』


振り返った俺から見て、左上空にクラースさん。

右側にカトリーナとロタが退避していた。


ホッと胸を撫で下ろすのもつかのま。

土煙の中から、ヴィッシーが首をもたげる。


「昨日はすまなかった!少しでいい!話を聞いて欲しい!」

「問答無用。」


俺の叫びに、ヴィッシーが野太い声・・・・で応えた。

声が違う!もう一匹いたのか!!


俺たちの動揺などおかまいなしに、

ヴィッシーBが大きく息を吸い込み、めた。


範囲攻撃ブレスが来る!!』


カトリーナの声に、俺とクラースさんが飛び出す。


1カ所に固まってる時なら、結界で防げるが、

バラバラの今、そんなもん撃たれたら、

集結も出来ないまま、各個撃破されてしまう。

撃たせる訳にはいかない!


ロタとカトリーナは親父の正面に回り込んでくれている。

有り難い。これで敵に集中出来る。


俺は加速全開で駆け寄ると、

そのままの勢いでジャンプした。


ヴィッシーBの動きが止まってない処を見ると、

どうやら、加速に着いて来ている。


『加速は万能ではないですよ。

 一定以上の知性と魔粒子量を持つものにとって、

 加速対策はしているのが当然です。

 相手が加速に入ると、それに反応して、

 自動で加速する術式を組んでおくんですよ。

 まぁ、常識ですね。』


なるほど。これがその常識・・ね。

つくづく常識ってヤツは厄介・・だ。


ヴィッシーBの口が大きく開いた。

『クソ!間に合えぇ!!』

俺は空中で抜刀し、居合い抜きの要領で、

得意の切り上げを下顎に叩き込んだ。


ほぼ同時に、ヴィッシーBはブレスを吐いた。

空中に紫色のイカニモな霧が拡散する。

それをカトリーナが、

風の魔法で更に上空へと運んだ。


ここまでだと、

いい連携でピンチを切り抜けたみたいだ。


現実は厳しい。

今、俺たちは最悪の状態にあった。


上から降って来て、俺の足下に転がってる、

表面からブクブク泡みたいのが出てる人型のモノ・・・・・

これは、クラースさんだ。


俺が下顎を突き上げたせいで、

ヴィッシーBの頭部を結界で囲い、

自爆させる事を狙っていたクラースさんは、

物質溶解レベルの猛毒ブレスを正面から食らってしまったのだ。

結界術に全神経を注いでいたので、完全無防備な状態でだ。


『申し訳ありません。回復には少々時間がかかるかと。』


クラースさん以外なら即死のダメージだ。

回復にかかる時間は、間違いなく少々ではないだろう。

開戦直後に、最大戦力の戦線離脱。

パーティーとしては致命的な戦力ダウンだ。


カトリーナにしても、毒が空から降り注ぐのを防ぐ為、

数に限りがある精霊魔法の大技をここで一回消費してしまった。


そして、当然、俺の会心の一撃は、

ヴィッシーBからすれば一瞬、目眩めまいがした程度。

怒りを増すにしても、戦闘に支障はない。


つまりは、想定していた最悪のラインを大きく下回る大惨事なのだ。


『基本的な連携も知らない50倍筋肉ゴリラに、

 高速で戦場を右往左往されたら、

 反かえってやりずらいんですよ。』


カトリーナが言ってたのは、こういう事か。

なるほどね。


そうこうしてる間に、

完全回復したヴィッシーBが、

クラースさんにトドメを刺そうと踏み潰しにかかる。


かろうじて、反応出来た俺は、

クラースさんを抱えて、飛び退いた。


クラースさんの身体から、染み出た毒で、

革ジャンの袖の部分が一瞬にしてボロボロになり、

むき出しになった素肌が焼きただれる。


皮膚が破れ、細胞が次々と破壊されるのが分かる。

その都度、血が溢れ出すが、瞬時に蒸発するので、

流れる事はない。なんて痛みだ。

ジャングルジムから転落した時の比ではない。


こんなもんを全身に受けたりしたら、、

俺なら精神が発狂してしまうだろう。


ごめん。クラースさん。

本当にごめんなさい。

俺のせいでこんな目に。

ゆるしてくれなんて言わない。

後で、死ぬほど説教して下さい。

だから、死なないで。


ここは、俺が、、なんとかします。


俺は、クラースさんを親父たちの元へと運ぶ。


「親父!俺の魔粒子を使って、出来るだけ頑丈な結界を頼む!」

「援軍のてが無い篭城ろうじょう下策げさくだぞぉ。」

「いいんだ。俺が結界の外に出て、アイツを山まで誘導する。」


そう。山間部には竜種がてんこ盛りと聞いた。

竜種は縄張りに入ったら、速攻喧嘩売ってくんだろ?

なら、そこまで誘導出来れば、みんなをこのピンチから救える。

つまり、俺の勝ちだ。


象太郎しょうたろうさん無茶です!」

「そうだぞ!象太郎しょうたろう!いくらなんでも無謀だ!」


俺たちの相談を待つ義理などないとばかりに、

ヴィッシーBが再び跳躍してくる。


「親父!頼む!」

二虎競食にこきょうしょくってやつかぁ。

 まぁ、虎じゃなくてどっちも爬虫類だけどなぁ。」


全く状況にそぐわない雰囲気で、

呑気に冗談らしき事を言いながら、

ポンっと俺の肩に手を置く親父。


すると、凄まじい勢いで、ドーム状の複合結界が構築される。


そこにヴィッシーBが上空から降下してきた。

ギリギリ形成が間に合った複合結界に巨体が激突する。


凄まじい激突音。


しかし、結界は、見事に空挺攻撃エアボーンアタックを防ぎ、

なんと、、弾き飛ばした。


コレにはヴィッシーB含め、全員が、ア然とした。

親父以外は。


なんにしても、コレでみんなの安全は確保出来た訳だ。


「親父!みんなを頼む!」

「任せろぉ。父さんそういうの得意だぞぉ。」


俺は、親父の言葉を背に結界を飛び出した。


再び結界に攻撃を加えようとしていた、

ヴィッシーBの視線がこっちに向く。絶好だ。


「その結界は俺の魔粒子で組んだもんだ。

 お前程度で破る事は出来ないぜ!」


俺の言葉を無視して、結界に向かい、

毒吐息ブレスを吐くヴィッシーB。

巻き込まれない様に慌てて距離を取る。


『大丈夫か!』

『こっちは平気です!』


無事を確認した俺は、再び挑発を再開した。


「だからぁ、お前程度じゃどうにもならないってぇ。プクク。」


馬鹿にした様に半笑いで言う俺。

人をイラつかせる天才2人。

すなわち、親父とカトリーナ。

その2大巨頭の特徴を併せた俺流合成術式は、

見事、ヴィッシーBの怒りに火をつけた。


「では、まず、貴様から喰ってやろう。」


言うと、こっちに突進してきた。


『かかった!!』


俺は、一目散に逃げ出した。

『カトリーナ!竜の群生地までナビ頼む!』

『了解!!』


常時加速は使ってない。

常時加速を使っても意味がない事に気づいたからだ。

なぜなら、相手も加速状態に入るなら、

魔粒子消費が激しいだけで、何一つ変わらない。


空挺攻撃エアボーンアタックが飛んできた。


『ここだ!』


俺は瞬間的に加速に入り、身をかわす。

そして、相手が反応して加速に入る前にスグに加速を切る。

正しい加速の使い方はこうだ。


またもや、空挺攻撃エアボーンアタックが不発に終わった

ヴィッシーBは怒りの咆哮をあげる。


突然、俺が手慣れた感じで戦えているのには理由があった。

ロタが、思考リンクを使って、

加速戦闘の経験データを大量に送ってくれたのだ。


『あまり水際に寄るな!

 退避ルートが限られたら狙い撃ちされるぞ!』


とまぁ、適切なアドバイスもちょいちょいしてくれている。


俺の身体能力は、自慢じゃないがかなり低い。

さっき、初めて全開で走ったがソニックブームは起きなかった。

つまり、50mを7秒では走れないという事だ。

ただし、50mを全力で走る速度をずっと維持する事は出来た。


幸いな事に魔粒子の容量は相当あるらしい。

俺は戦闘力の脆弱さでは類をみないが、

回復力だけは凄まじいのだ。


既にさっきの腕の傷は、ほぼ完治している。

恐らくだが、溶けてるそばから治っていたのだろう。

それがなければ、腕が無くなってたな。

苦笑する俺。


ともあれ、開眼した。俺の最大の武器は逃げ足。

俺が貢献出来るのは、これ一点だ。


ならば、、トコトン逃げてやる!!


ヴィッシーBは相当イラついている。

なにせ、身体能力、攻撃力で遥かに勝りながら、

緩急をつけた逃げに翻弄され、

結果、まだ一撃すら当たっていない。

もっとも一撃当たればゲームオーバーなのだが。


ただ、水辺を走っている内は安心だろう。

というのも、カトリーナが神眼で視た映像を、

俺に転送してくれているからだ。


なので、俺は振り返る事無く、

相手の動きが分かる。

そして、オーラの移動で、

次撃を多少なりとも予測出来ている。


つまり、実際は3対1なのだ。


なんだかんだで、既に10分以上。

4kmくらいは逃げた。

目の前にはもう、竜種のむ山岳地帯が迫っている。

後、少しの辛抱だ。

保ってくれよ!俺の魔術核!



少し時間はさかのぼり、

象太郎しょうたろうが飛び出した直後の結界内。


「私も出撃る!!」

「ダメだぞぉ。」

「なぜだ!!」

象太郎しょうたろうの邪魔するなよぉ。」

「邪魔?」

小娘おまえが行けば、

 象太郎しょうたろうはお前を守ろうとするぞぉ。

 逃げる事に集中出来なくなるなぁ。」


確かに。象太郎しょうたろうはそういうヤツだ。

自分の実力もわきまえず、人の心配ばかりしてる。

いつもそうだった。だからこそ、死なせたくない。


ロタは不思議に思う。

戦場で、何より優先されるのは生還。次が勝利だ。

窮地に陥った仲間を、助けるか、あるいは犠牲にするかは、

自らの生還と勝利に必要かどうかで判断する。

戦いとはそういうモノのハズだった。


しかし、今はどうだ。

自分は少なくとも生還できそうだ。

その上で、この湖を渡れたら、目標は達成される。

すなわち、勝利だ。

だが、いてもたってもいられない。


「やはり行く!」

「待て!!」


シヴァが初めて声を荒げた。

何かの魔法に縛られた様に、身体が硬直した。


小娘おまえとカトリーナは別の事やれぇ。」

「別の事?」

「思念リンクをしてるの忘れてないかぁ?」

「!!」

「今の象太郎しょうたろうに必要なのは、

 小娘おまえの戦力じゃない。

 小娘おまえの知識と経験だ。」

「カトリーナぁ。神眼はまだしばらくは使えるかぁ?」

「はい!大丈夫です!」

象太郎しょうたろうのサポートを頼む。」

「任せて下さい!!」

「さてと、、俺はこっちだなぁ。」


言うと、自らの手首をナイフで切り裂き、

ダラダラと流れ出す血を、クラースにかける。


「シヴァ様!!なにを!!」

「コイツは吸血鬼ヴァンパイアだぁ。

 コレが一番早いぞぉ。」

「しかし!!」

象太郎しょうたろうに『みんなを頼む』と言われたぁ。

 こんなに嬉しい言葉はないなぁ。」


言ってる内にクラースが立ち上がった。


「シヴァ様。私ごときの為にこの様な事を。勿体ない。」

「お前の為じゃないぞぉ。みんなの為だぁ。」

「ハッ。では、伺います。

 シヴァ様にそれほどまでして蘇生して頂きました私は、

 皆様の為にナニを成せばよろしいのでしょう?」

「もうすぐ、象太郎しょうたろうが山に入るだろうから、

 脱出の補助を頼んでもいいかぁ?」

「一命に変えましても。」

「頼んだぞぉ。」


言うと倒れるシヴァ。


「カトリーナ様!シヴァ様の止血を!」

「はい!」

「シヴァ様の治療が終わり次第、

 皆で象太郎しょうたろう様を追います。

 よろしいですかな?」

「無論だ。」

「・・・終わった!」

「よし!行こう!」


三人が結界を飛び出したその刹那、

全員の脚が止まった。


「そんな、、」


遂に象太郎しょうたろうが、

一撃を受けてしまったのだ。


象太郎しょうたろう!!」


ロタは絶叫し、走り出した。

間に合うはずもない。

しかし、走らずにはいられなかった。

少し遅れカトリーナとクラースも追う。



それは、一瞬、眼を離した瞬間に起こった。

俺がじゃない。カトリーナがだ。


俺の頭に飛び込んで来たのは、

手首から大量の血を流し、倒れている親父の姿だった。


「親父!!」


不覚にも、俺は、動きを止めてしまった。

それを見逃してくれるほど、

甘い相手ではないのは知っていたハズなのに。


尻尾の一撃をモロに喰らった俺は、

水平に飛び、岩に叩きつけられ、

そのまま上空に跳ね返り、

ただいま、絶賛落下中だ。


既に全身の骨は粉々だろう。

神経もズタズタかも。

何せ、指一本動かせないし、痛みすら感じない。

こうして意識があるのも、不思議なくらいだ。


あれ?もしかして、もう死んでる?

これ、幽霊ってやつかも。


幽霊になるって事は未練があるって話だよな。


未練。未練かぁ。


一度くらいはちゅうってヤツをしてみたかった事か?


いや、それじゃないな。


みんなを、、初めて出来た仲間を、、親父を、、。


「た、すけ、、たかっ、、た、、。」


意識が泡の様に溶けて消えていく。


もう、地面には衝突したのだろうか?

痛みも衝撃も感じない。

どうやら、本当に終わりの様だ。


遠くから、何か聞こえる気がする。

声か?みんなの?

小さくて、良く聞こえない。

聞きたい。最後にみんなの声を。

俺は手を伸ばす。

だが、声は小さく掠れていくばかりだ。


「ちくしょう!小さ過ぎだろ!」


ドカっ!バキっ!!


痛い。

思い切り地面に叩きつけられ、

背中を踏みつけられた感覚。


えっ!痛いだと!!

俺は眼を開けた。


「セラフィーナ!!!」

主神かみにも近しい、至高の存在であるわれが、

 おそれ多くも心配し、

 もったいなくもわざわざ駆けつけ、

 慈悲深くも絶対絶命のピンチを救い出し、

 更には、抱きかかえて治療すらしてやるという

 2000年に一度くらいの

 至れり尽くせり恐悦至極な出血多量大サービスを

 展開してやったにも関わらず、

 慎ましくも可憐な我が胸を乱雑にまさぐり、

 あまつさえ『畜生!小さ過ぎだろ!』

 などとのたまう始末。

 助けておいて何だが、、、お主、即刻、腹を切れ。」


えっ?西洋人だよね?ナニその戦国武将きどり?

そこで、ハッと気づいた。


「そんなことはどうでもいい!ヤツは!!」

「ヤツ?ヤツとはこの爬虫類もどきの事か?」


見ると、身動きがとれなくなっているヴィッシーB。

全身を光の輪みたいなものが、等間隔で締め付けている。

口にも輪がかかっており、ブレスも吐けない様子だ。


「すげぇ。」

「当然であろう。何をいまさら。

 それより、お主、

 珠玉しゅぎょくにも勝る我がげん

 どうでもいい呼ばわりしおったな。謝罪せい。」

「ありがとう!!助かったよセラフィーナ!!」


俺は両手でセラフィーナの手を握り、心からお礼を言った。


「よ、良い。もう、良いから、手をはなせ。」

「それにしても、どうしてここに?」

「我が眷属たるクラースの反応が消えかけておった。

 何か不測の事態かと通信を試みたのだが、

 術式がうまく機能しなくてな。

 様子を見に来たら、この始末というわけだ。」

「そうだ!クラースさん!それに親父は!?」


そこに、3人が駆けつけた。


「セラフィーナ様!!」


慌ててひざまづくクラース。


「苦しゅう無い。おもてをあげい。」


なんだろう。やっぱ、

確実に何らかの武将的なものの影響受けてるよね?

最近なんか観た?


「ほう。少し観ぬ間に格段に力を増したな。

 よほど良質なエネルギーを取り込んだと見える。」


セラフィーナの眼に例のマッドな匂いが漂う。


「それに、この爬虫類もどき、面白い素材だ。

 来た甲斐があったというものよ。フフフフ。」


やはり一番コイツが恐ろしいな。

忘れないでおこう。

そう心に誓った俺の元に、

ロタとカトリーナが近寄ってくる。

手を差し出してくるロタ。

その手を掴み立ち上がる。


「お疲れさま。」

「あぁ。ありがとう。」


ロタの手が温かい。

あぁ。何とか生き延びたんだ。

やっと実感が湧いた。


「あぁ〜。うん。いつまで、手をお繋ぎに?」


ニヤつきながら言うカトリーナの言葉に、

慌てて離れる俺たち。


「そういうのは是非とも二人きりの時にお願いしますぅ♡」

「いい加減にしろよ。」

「ぎゃぁぁぁ♡ロタ怖いぃ♡」


例によってジャレ始める二人。

普段は鬱陶しいが、今は和む。

そこに、今度はセラフィーナが近づいて来た。


「お主、爬虫類もどきコヤツの処理はどうするつもりだ?」

「えっ?どうするって、、。」


セラフィーナがお持ち帰りして、

アレな実験に使うんじゃないのか?


「ん?そういう訳ではないのか?」

「えっと、、どういう訳でしょうか?」

存外ぞんがいニブいのう。此奴コヤツは知り合いなのであろう?」

「いや、似たヤツは知っているけど、

 コイツとはさっき初めて会って即殺し合いになっただけだ。」

「似たヤツではないぞ。

 かなり絡み合っているから一見すると一つに見えるが、

 此奴コヤツには魔術核が二つある。

 魔術核が混在する場合、力の勝る方が、身体の支配権を持つ。

 今はこのヘビの方が、主の知り合いより力が上というだけだ。

 分かり易く言えば、お主の知人は取り込まれておるな。」

「そんな!!」


食いついたのはカトリーナだった。


「そんな訳はありません!昨日、神眼を解放して視た限り、

 そんな兆候は確認できませんでした!」

「ははははっ!コレは滑稽こっけいな!

 良いか、牛娘。主の神眼は、解放すれば、我が魔眼より数段上の性能よ。

 だが、得た情報を正確に解析出来る知識と経験がなくば、、、

 持ち腐れというものよのう。」


眼を細めて微笑わらうセラフィーナ。

顔を真っ赤にしているカトリーナ相当悔しそうだ。


「さて、改めて問おう。此奴コヤツをどうする?」

話の途中なので、次はなるべく早く投稿出来る様に頑張ります。

最短で7日夜。遅くても8日には投稿予定です。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ