優しい人たちに囲まれて
僕は、ひまわり孤児院で数日を過ごした後、男の人…院長先生が
「そろそろ、学校にも通うかい?」
何処の学校に通っていたんだ?と聞かれ、僕は、和光小学校に通っています。と答えた。
「どちらかと、言えば通いたい…です。」
そういうと、院長先生は、ここだと徳利小学校の方が近いんだけど、どうする?と聞かれた。
徳利小学校と言えば恵音の通っている学校だ。だけど、この目になってからは僕は、恵音に会っていないのだ。
「いえ、和光小学校にこのまま通いたいです。幼馴染もいますから、そっちの方が、何かと…」
そういって僕は、気づいてしまった。
「あ、教科書…」そう、教科書も体操服も筆記用具、ランドセルすらも僕は持っていなかった。
勿論服もなかったが、先日院長先生が服や歯ブラシ、コップなどを買いそろえてくれた。
院長先生は、大丈夫だよ。明日すぐに、とはいけないけど揃えておくね。と言った。
今の僕が持っているのは、「視覚補聴デバイスとメディカルチョーカー」と杖ぐらいなのだ。
僕は院長先生に、本当にありがとうございます。とお礼を言いその場を後にした。
そして数日後、院長先生が全て買い揃えてくれて、僕は久しぶりに僕は学校に行った。
行きは院長先生に送ってもらって、迎はどうする?と聞かれたが、僕は大丈夫です。と答えて校門をくぐった。
本当に久しぶりだ。
寒っ…
今は2年の1月だ。そういえば、もうすぐ、僕の誕生日か…去年までは、お母さんもお父さんもすごく祝ってくれていた…。
おとうさん…おかあさん… ううん。忘れよう。今は、遅れた分を取り戻さないと。
僕はゆっくり、慎重に、自分の教室に向かった。
がらっ
僕が開けると教室は一気に静かになった。
教室を間違えてしまったのだろうか?
すると一人の生徒が声を上げた。まあ、もちろん彼だよね。
「桜歌!今までどこにいたんだ!?」
そうしょうちゃんだ。
「しょうちゃん?ああ…久しぶりだね。元気にしてた?今日から僕もちゃんと通えるから、よろしくね!」
と僕は元気に答えた。
しょうちゃんは僕に抱き着いてきた。僕はしょうちゃんの背中をポンポンしていた。
「もう、勝手にいなくならないでくれ…頼むから…何かあったんなら、俺にきちんと説明してくれ…」
そっか…しょうちゃんとは、お父さんやお母さんが暴力を振るってきてからはなるべく、気づかれないようにしていたから、ちょっとヨソヨソしく感じてしまっていたのかも。
「うん。ごめんね。わかった。」ありがとう。
僕は心配してくれたに幼馴染を心からの「ありがとう」を言った。
それから僕は周りのみんなに助けてもらいながら、楽しい学校生活を送った。
以前のことがあったからなのか、霧島さんや僕を殴っていた男の子たちも、僕の目のことを気遣っていろいろとサポートしてくれた。
僕は、罪悪感からしてくれているのだと思い、
「無理にサポートしてくれなくても大丈夫だからね?」というと
霧島さんが、無理?!そんなことないわよ!私がしたくてしているの!!
と即座に訂正してきた
優しい人だと思った。
「そうなの?それならいいんだ。ありがとう」と笑顔で言った。
霧島、他多数「っつぅ てんし…」
と言っていたが、僕の耳には聞こえていなかった。
そんなこんなで2年とちょっと経ち、僕は5年生になっていた
ここまで読んでくださりありがとうございます!
桜歌くんは周りの人に恵まれていてよかった。と思ったのですが、圧倒的天使(桜歌)スマイルで周りを虜にしていってますね。きっと。うん。いいね!