始まりで終わりの『白』
なんか、初回だからか文章がカチコチです……。
この世界では、たまにUFOや、ユーマ、妖精、幽霊、なんてものが目撃されている。
それを悪ふざけや目の錯覚、ネタが欲しくって新聞記者がヤラセでつくった作り話などと思う人もいるだろう。
だが、本当に、全部が全部、作り話なのだろうか?
数多の作り話のなかに、『本物』が紛れこんでいたとしたら?
例えば、本当に幽霊は存在しないのだろうか?例えば、おとぎ話や神話から登場人物は本当に抜け出さないのだろうか?
そもそも、自分が人間である証拠など、どこにあるというのだろうか?
自分は、人間の親から生まれたのだから人間? 人間のように言葉を喋れるから人間? 人間のマネっこが出来るから人間?
結局の所、人間とそうでない者の境界線なんて、曖昧なところなのだ。
そんな本当なら実在するはずのない、人間のようで、人間でないものたちの日記、それが、この物語、つまりは、黒澤 葉月の『日記』である。
*******
暇だ。
暇だ。
暇だ。
僕はとにかく暇だった。
何か幸運なんて降ってこないだろうか…………。
こんなフラグ的な事を考えていたからなのだろうか。
とにかくその時の僕は劇的な何かが起こって欲しいな~、などと、ある意味ではフラグ的ことを考えていた。
「今日から新しいクラスメートになる、川白 皐さんよ、仲良くしてあげてくださいね~」
春の陽気が心地よい、平和な日常が流れる、5月上旬のことであった。
ある意味では、僕にとっては『運命の日』でもあり、『厄日』でもだったのかもしれないが。
新しく担任になったばかりの、名前の通り、朗らかで春のような春川先生が、朝のホームルームの時間に一人の女生徒を連れて教室に入ってきたのだ。
にわかに教室の中が色めき立つ。(僕も色めき立つ)もちろん、女生徒というのもあり、主に男子が色めき立っているわけだが、(僕含め)風変わりな季節の転入というのもあり、大抵の生徒が女生徒に興味をもったことだろう。
かくいう僕も、(何度も言うが)その女生徒に目を奪われていた大勢の中の一人だった。
その女生徒は、とにかく、絵に描いたような、もの凄い美少女だった。いや、嘘偽りなく、絶世の美少女と言ってもいいだろう。
身長は153センチくらいだろうか。睫毛は長く、形の整った鼻と口、まるで一流の匠が作った人形のようないでたちで、佇む姿は百合の花のような儚げな雰囲気が漂っていた。
ただ、それよりも僕の目を奪っていたのは、その少女の腰まで伸びている、恐ろしいまでに美しい、畏怖さえも感じてしまうような動くたびに揺れる純色の白い髪の毛だった。
「川白さんは、長い間病気で苦しんでいてね、先日、ようやく退院する事ができたの、だから、皆さん、仲良くしてあげてね~。
もしイジメなんかしたら、先生、誰がなんと言おうと、廊下に十時間立たせた後、グラウンド100周してもらいますからね~。
ふふふ、冗談です。まあ、それを実行に移す事を私が出来るという事と、それが現実になる可能性があるということを、ユメユメ忘れぬように~。」
先生はニッコリと微笑みながら言った。
先生、怖っ!
って、じゃなくて、病気、か、つまり、あの美しい白髪も、その後遺症か何かなのだろうか。
僕が浅知識なだけで、そういう病気も存在するのかもしれない。
だとしたら、髪の事にはあまり気にかけるべきではないのだろう。
本人が気にしているのかもしれないし、無意味に傷を広げるのは良くないことだ。
まあなんにしろ、僕にはあれほどの美少女に話しかける勇気などは、この世に生を授かった時より存在しないのだが。
「川白 皐です。病気のため、長い間、ずっと病院通いでしたが、晴れて病気も治り、こうして中学に通える事になりました。
ふつつかものですが、どうか一年間よろしくお願いします」
などと、どこかへ嫁入りでもするのかという印象的な挨拶を済ませると、柔らかい日だまりのような微笑を浮かべ(可愛いかった)一つぺこりと頭を下げた。
そして、そのまま、転入生は一番後ろの空いていた席へと向かっていったのだった。
「なあハジュハジュ、宿題終わってるよな?」
僕の悪友であり、親友であり、俗にいうダチである緑川 八代が僕の肩に手を回す。
緑川が宿題を忘れた時のお決まりのパターンだ。
「まあ……、終わってるっちゃ終わってるな、僕の事を日曜日の朝にやっている女の子向けアニメのお助け兼マスコットキャラのような名前で呼ぶような奴に見せる宿題は、この世のどこにも存在しないが」
「まったまたぁ~、よっ、さっすが幼女大好きハジュキくん☆」
「お前なぁ………、僕は別に幼女なんて好きじゃない」
勝手にロリコン認定されるのは納得できないし、しない。
というか、僕の守備範囲としては、主に同年代くらいの女子くらいだ。
ちなみに、何故か僕は昔から、どうしても初めてあう女の子にはどもってしまう。何故だったのか、理由は忘れたが。
「えっ、じゃあ、まさかの…………ホモ?」
口に手を当てて、目をパチくりさせながら、緑川は本気で不思議そうに聞いてくる。
僕は初めて友達の口を針で縫いたいと思ったかもしれない。
「それはワザとか? ワザとなのか? 僕を怒らせるための修行か何かをお前は課されているのか?」
「それはそうと」
「高度経済成長期なみの怒涛の勢いで話題を変えるなよ!」
本当に、怒涛の流れで話しを変えてくる奴だ。まあ、だからこそ、すぐに飽きてしまう僕は、いつまで見ていても飽きない緑川といて、過ごしやすく感じているのだが。
だがさすがに、限度というものがある気がする事を感じ始めている、今日この頃。
この間などは、桃太郎から始まり、いつの間にかドイツ経済の話へと変わっていた程だ。
どうやったら桃太郎がドイツ経済の大物になるというのだ。
「あの転入生ちゃん、超可愛いくね?」
次は、つい先程クラスメートになった転入生の話だった。
「えっ、あ、まあ、可愛いっちゃ、可愛い、よな……」
「---うん? ハジュハジュにしては、いまいち歯切れが悪い感じ」
「いや………、なんていうか、確かに可愛いよ。うん、可愛い。可愛いんだけど、ただ、なんか、可愛い、けど……可愛い、と、いうよりは………」
そう、10人中10人、彼女と対面すれば、誰もが、美しく、儚く、尊気で、芯は透き通っていて、真っ直ぐ、そんな感じがするのだと、そう答えるだろう。
彼女は他人にそう思わせるだけの容姿があり、威圧感に似た何かが漂っているのだから。
ーーーだけど、僕はこうも思った。すぐに手折られてしまいそうな程、弱々しい感じなのに………、どこか、『危うい雰囲気』がする、と。
勿論、それは彼女自身が危うい感じが、いや、彼女自身も、確かに崩れ落ちそうな危うさを纏っているのだ。
だが、しかし、それ以外に感じる危うさ、それはむしろ、彼女に『近づいたら』--
危ない--。
そういう危うさなのだ。
何故そう感じるのかは、分からない。直感?本能?まさかの僕の眠りし力だろうか?
まあ、脳内茶番はこのくらいにして、とにかく、凡人には近づき難い美少女というのもあり、僕は、出来るだけ近づきたくない。
だから、僕が緑川に返す答えはこうだ。
「緑川、僕は、あの転入生、可愛い、と言うよりは、どちらかと言うと…」
「危うい。」
僕がいいかけて、唐突に、突然に、美しい透き通った、湖のような落ち着いた、静かな声が僕の耳元で囁かれた。
声主との距離を考えるならば、僕のすぐ横で囁かれた事が容易く分かった。何故なら、僕の耳元にモロに声主の吐息がかかっていたからだ。
「ぎゃあああぁぁぁぁぁ……………!!」
次に出たのは、昭和の漫画の主人公かというような情けない(僕)の叫び声だった。
ーーび、びっくり……した。
というか、全く声がしたほうから気配を感じなかった。完全に不意打ちな形での耳元だったので、僕は、再度繰り返すが、情けなくも、椅子から転げ落ちてしまった。
赤面した。というか、カッコ悪過ぎる自分に、自分自身で軽く失望してしまったところだ。
しかも、僕の席はクラスのど真ん中の位置に位置している。つまり、今さっきの僕の醜態をクラス全員に見られたということなのだ。
穴があったら潜りたい。穴がなくっても作りたい。
「どうやら、驚かせちゃった、かな、ごめんね?」
僕が軽く自分に自己嫌悪と鬱に掛かっていると、その思考を遮るようにして、さっきの、美しい透き通った、湖のような静かな声が、おそらくは僕に向かって降ってきた。
今だに教室の床、地べたに座っている僕からすると、自然と見上げる形になってしまうのだが、次の瞬間、僕は不覚にも見惚れてしまう事になる。
まるで凍ってしまった白薔薇のような、美しくも、畏怖を感じる白髪が目の前に広がる。
後ろから差し込む窓の光を纏っていて、神々しい。さしずめ僕には彼女が女神か何かにみえたのだが、
「黒澤くん、立てる?」
見ようによっては、もはや芸術品にも見える白く細い指が特徴的な手が差し出された。
やっぱり、そんな所も美しくて儚く、触れれば壊してしまいそうな危うさがある。その危うさが、一体、誰に対しての危うさなのか、それはまた別として、だが。
僕は、少しためらいながらも彼女の脆い芸術品のような腕を、そっと掴んだ。
すると、彼女の細い身体からは想像出来ないような力で引かれた。いや、僕があまりにも彼女の事を非力な存在だと決め付けて いただけなのかもしれないが。女子にしては、強い力だっただけかもしれないし。
「え、えっと、え、と……」
立ち上がり、前を見据える。
目の前に美少女が立っている。しかも、何故か凄くニコニコしていて、好感度がMAXな様子が窺えた。それだけで、その事実だけで、緊張して固まる。
何かを言いかけて、結局、金魚のごとく、口をパクパクさせるしかない。
というか、なにがなんだか、分からない。もう僕の脳内容量が限界を迎えようとしていた。
「クスッ、改めまして、もう一度言うけれど、今日からこのクラスの一員になる、川白 皐です。
ぜひ、私とお友達になってくれますか? えっと……、そう、黒澤くん」
川白さんは少し目を細め、僕の胸元のプレートで出来た名札を再確認し、少し頬を赤らめながら上目遣いに聞いてきた。
これは、つまり、アレだろうか、アレなのだろうか、川白さんは、僕と交友関係を築きたいと……友達になりたいと言っている?(最初からそう言っている)
「はっ、はひ、えと、僕みたいな、へ、ヘタレで、よ、よいのであれわ………よろ、よろこんで!」
「おいっ、ハジュハジュ!」
緑川に横から肘で小突かれた。
正気に戻った。
「あっ、いや、違いまふ、あっ、えっと、僕の方こそ、よろしくお願いします」
噛み噛みながらも、なんとか最後まで言い切った僕を褒めてあげたい。
というか、今、皆から見た僕は、絶対にのぼせた様に赤い顔になっていることだろう。
「良かった、今日からよろしくね、黒澤くん」
またしても、日だまりのような微笑だった。本当に、美少女の笑顔の破壊力は強烈だ。
そして、こうして僕達は、晴れて友達に、いや、多分、まだ形だけかもしれないが、友達になったのだった。
*******
「はぁ、それにしても、疲れた」
今日、朝からの怒涛の流れを思い返す。
まず、とんでも美少女に出会って、ハジュハジュ扱いされ、お友達になってと言われ、何故あんなに美少女からの好感度が高かったのか質問攻めにされ(僕が聞きたいくらいだ)一日中クラスメートからからかわれたり、追いかけ回されたり、嫉妬や羨望の目を向けられ続けた。
そして、何故か家に帰って来てからも、「喉が乾きました。 牛乳買ってこいや、です。バカ兄貴」と、お風呂上がりの妹に言われ、真夜中に家を追い出され、仕方なくコンビニで牛乳を買ってきた帰り道だ。
いい加減、そのくらいの物、自分で買ってくればいいじゃないか、と言ったら、「こんな真夜中にいたいけなお風呂上がりの美少女に買い出しに行かせる気ですか? バカですか? バカなんですか? バカ兄貴」と、言い返され、しまいにはハラパンされた後、玄関の外へと転げ出された。
ていうか、もうそれ、最後はバカって断定されてるよな?僕。
勿論、転げ出された僕の上にピンクのハート型財布と買い物バックが降ってきたのは、僕の胸の中を虚しさでいっぱいにするには十分だった。
僕はついでに牛乳以外にも、プリン、雑誌、ちょっとしたチョコレート類を買った。
プリンやチョコレート類なんかは、勉強の最中なんかに食べると意外と集中できるし、雑誌は………また、美少女という名の妹という地位の暴君に深夜買ってこいと言われた時のための備蓄品だ。
誰がまた、こんな春といっても寒い深夜に何度も買い出しに行くかってんだ。
それにしても、深夜の0時だからか、随分と暗い感じがする。まあ、古い街だし、街頭だってチカチカと点滅しているだけのお飾りなのだが、それにしたって---
ポツン
「あっ、雨、か………」
どうやら、雨雲で月がずっと隠れていたようだ、なるほど、月が隠れてたんじゃ暗いのは当たり前かぁ。
ポツン ポツン ポツポツポツポツポツポツポツポツポツポツポツポツポツポツポツポツポツポツポツポツポツポツポツポツポツポツポツ……………………………!!!!!!!
いやっ、いきなり降ってきすぎじゃないか!?
どんだけ降ってくるんだよ!ノアの箱船もビックリのレベルの唐突なゲリラ豪雨だよ!
傘なんて持ってきてないし、早く帰らないと、機嫌を悪くした妹に、またしても足蹴されてしまう。しかも雑誌や、最悪チョコレートまで濡れてしまう。一刻も早く家に帰らなければ!
「はぁ、はぁ、はぁ…………!」
家までの距離は、それ程あるわけではないので、走る、走る。
真っ暗な暗闇の中、確かな足取りで地面を踏み鳴らす。
そうでもしなければ、恐らく転んでしまうだろう。ちなみに、コンビニで買った物達は僕の服の中に入れて濡れないようにしてある。
暗闇の中、走る、走る、ただ、何も考えずに走る。
さながら『走れメロス』だ。ただ、この場合、掛かっているのは友達の命ではなく、僕の命の方だが。
「…………ん?」
なんだか、道の前方に影がある。
前方といっても、道の端っこにポツリと『何か』が存在しているという形だ。
結構小さいが、犬にしては大きい方だ。
まさか捨て犬?それとも大きめの粗大ゴミか何かだろうか。
犬だった場合、持って帰ったら、まあ、妹にギャーギャー言われるだろうが、それさえ何とかなれば、僕の家でも飼えるっちゃ飼えるだろう。
よく目を凝らすと、どうやら動きはない。
犬じゃなかった、のか?だが、粗大ゴミにしては形がおかしいような、そう、例えば、どちらかというと『人間』のような形に近いような…………、うん?人間?
もう一度、よく目を凝らす。
僕は走っているから、どんどん影に近づいていく。
やっぱり、人間だ……!うずくまって倒れている。
もしかして、意識がないのか!?病気か何かで倒れてしまったとか!?
しかも、この豪雨の中、ずっと雨に打たれていたのなら、体温だって相当に奪われている筈!
どうしよう………、携帯は家に置いてきたし、ここからだと病院は結構遠い。
恐らく、2キロ以上はある。
まずは、そう、とりあえず、起こして意識があるのかを確認しなくちゃいけない。
「って、あ…………」
思わず、意識をその倒れている人に向けすぎて、足元への注意が疎かになっていた。
勿論、今日は朝から雨が降っていた訳じゃない、だが、先程からの突然の豪雨で水たまりが出来ないかというと………否だ。
濁った水の中に靴がつかり、泥が溜まっていたのか、僕の足がツルッと効果音のつきそうな勢いで宙に浮く。
そのまま、僕は水たまりの中へとダイブしたのだった。
というか、走っていた勢いもあり、泥水で汚れたまま二メートルくらい前転を繰り返しながら吹っ飛んだ。
僕のカッコ悪さも此処まできたら、ワザとずっこけている可笑しな人にしか見えないのではないだろうか。
などと、前転の途中で止まったままの体勢で考える。そろそろ首が本気で悲鳴をあげそうだ。
「ぐぅ………、はぁ、人を助けようとして、まさか自分が怪我を負うとは」
まあ、完全に自分の自業自得なのだが。
と、そんなどうでもいい事考えてる場合じゃない。
急いで二メートル戻って、倒れている人を抱き起こす。
僕は驚愕した。軽い。と、思った。随分と軽かった。まるで今にも消えてしまいそうな程、軽くって、『薄い。』 随分な評価だけど、本気でそう思った。
意識があるか確認するために、顔を覗き込む。
見ると、女の子、いや、多分、僕と同い年くらいの女子だった。
髪型はショートカットで、両側から一房だけ髪を垂らしている。
少し背が小さいから幼く見えるが、顔はけっこう大人、ではないが、それ相応の年齢に見える。そして、目をつむっている、つまり意識がないようだ。
ん?というか、この子、桃ちゃん!? 緑川の妹で、たまに僕も一緒に遊んでいる。本名は緑川 桃だったっけ?まるで童話の桃太郎のような名前だと思ったものだ。それにしても、なんで緑川の妹がこんな所で一人倒れてたんだ?
「緑川………ああ、えと、桃ちゃん! 大丈夫?意識ある?」
本人の意識を呼び覚ますには、出来るだけ苗字よりも名前を言った方がいいだろう、と、咄嗟に判断した。
ぶっちゃけ、緑川と呼んだら、僕にとっては八代しか思い浮かばないからでもあるが……。
「おーい、桃ちゃん……!桃ちゃん………!」
あまり世間的に人聞きが良いとは言えないが、ペチペチと軽く頬を叩く。
これで後で緑川に妹を叩いた罪で何か言われても、僕としては助けようとしただけなのにと反撃ができる。
いつの間にか、真面目にしないといけない場面で、至極くだらない事を考えてしまったていた。
その時だった。緑川………、ああ、もう、桃ちゃんでいいや!
桃ちゃんの目が少しだが、ピクピクと動いたのだ。それは、確かに生きているという証拠だ。
「…………う、うぅ………かっ、は、がぁ、かはぁっ……!!!」
いきなり、だった。
それまでは全く動かなかったのに、いきなり目を見開きながら苦しみだしたのだ。
手足をガタガタ揺らし、呼吸するのさえ苦しそうだ。恐らく痙攣をおこして、いる……?
え、もしかして僕、より病状を悪化させた系か!?素人が無闇に抱き起こしちゃ駄目だったのか!?
焦る、焦る、めちゃくちゃ焦る。焦る、焦る、めちゃくちゃ焦る。どうすればいい?どうすればいい?どうすればいい?どうすればいい?どうすればいい?どうすればいい?焦る、焦る、めちゃくちゃ焦る。焦る、焦る、めちゃくちゃ焦る。
思考が一周半くらいした気がするが、僕の拙い頭じゃ、たいして何も思い浮かばなかった。
というか、そもそも本当に思考が1から1へと回転しただけだった。
それりゃあ僕はテストの時でも、学年で下から数えた方が早い方だけど…………。
こんな時くらい何か思い浮かばないのか!?
もし誤字脱字がありましたら、教えて下さると嬉しいです。