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夢幻の世界で、無限の時を  作者: PhiA
ー1章ー〈出会い〉
2/176

-2-狐と、鼠と、御先祖と。

 灰が大量についた顔を拭うと、何やら顔の側面に違和感がある。

 15年生きてきて、ずっと付いていたはずの……。


「ん?あれ!? 私の耳ィ!?」


 ほんとに何回叫べばいいのだろう。

 5感のうち、聴力を司る耳が綺麗さっぱり無くなっていた。いや、あるにはあるのだが……。


「ナンデ!? なんで頭の上にある……ってこれは!」


 気づいてしまった。頭頂部に近い部分から伸びている二本の……獣耳に。

 猫のものより大きく、兎のものよりは短いそれはまるで、


「狐……?」


 そう。狐である。

 髪色と同じ煌めく銀の耳は、触ってみるとピコピコと動く。頭の上を触っているのにヒトの耳を触っているのと同じような感覚。そして、なくなったヒトの耳の代わりに聴力を得ている。

 聴こえ方はヒトの耳と大差なく、普通に聴こえる。むしろ良くなった。


 さらに驚愕すべき、というより耳があるなら当然かもしれないが尻尾もあった。こちらも銀毛で、先っぽは色が濃くなっているようだ。フッサフサや……。


 さすがに驚愕の連続に耐えきれず、ペタンと女の子座りで崩れ落ちる。主のテンションに従って耳もふにゃんと倒れた。そしてその髪を掻き毟る。


「ああああああああ! どうしてこうなった! ここどこ! なんで獣耳&尻尾! 私は受験生! 家はどこ! 学校は!?」


 壊れた。だって仕方ないじゃない、まだ中学生ですもの。



 叫びつづけること5分。

 ズドォンと、遠くで何か爆発音がした。煙がもうもうと上がっている。


「あ゛ぁ゛ー、叫びつづけたせいで喉乾いた……どうせ、非力で無力な商人が魔獣か何かに襲われてるはず……」


 深く考えることをやめた私はさらっと今いる場所を異世界認定していた。

 耳がなくなったと思ったら代わりに狐の耳と尻尾が生えてくるのは地球じゃない。間違いなく。


 完全に開き直った私は爆発の元へフラフラと歩みを進めるのだった。


 ☆


 さて、爆発の元らしき街道のような場所に着いたのだが……。


「おら死ねやぁぁぁぁあ! 《鼠花火(ねずみはなび)》ッ! ファイヤ! ファイヤ! もいっちょファイヤ!」

「ギィィアァァ!」


 馬車の周りに15体程の小型のゴブリンらしき生き物と如何にも商人風のスーツを着た、小さな丸耳と長い尻尾のある男がいて、馬車の御者席には誰もいない。

 男が御者のようだが、私の知っている商人とはかなり違っていた。


 よくゲームや小説に出てくる「商人」は、襲われても攻撃手段が乏しいために大した反撃ができない。しかし、目の前の商人は掌から火を放っているではないか。

 《鼠花火》と言ったか、放たれた火は錐揉みしながら飛んでいき、見事ゴブリンに命中。


 次の瞬間、ゴブリンが内側から破裂した。


「は?」


 ポカンと見ていると、男がこちらに気づいたようだ。


「む! 新手か! 《鼠花火》ッ! ファイヤ!」

「って、ちょっとおおおお!」


 危険信号がガンガンと警鐘を鳴らしたため、それに従い思いっきり横に飛ぶ。

 その火は尻尾の先を焦がしつつ、街道の脇に生えていた木に直撃、大穴を開けている。

 驚きのあまり瞠目していると、メキッという嫌な音。


「あ、やっべ」


 男がなんか言ってる。あ、言ったそばから逃げ出した! なんてヤロウだ!


「あああ倒れてきてる! どうしてこっちに倒れてくるの! どうして私ばっかり……!」


 どうして私だけがこうも不幸なのか。そう考えると無性に腹が立ってきた。殺らなきゃ殺られる。ならやることはただ一つ。


 刹那の判断で例の鍵を取り出す。石をも砕いた(?)この鍵なら、木ぐらい切ってくれるだろう。


 そしてその願いを鍵は裏切らなかった。


「ええぃ!」


 刹那の閃き。しかしそのうちには12回ほど斬撃を放っている。

 倒れて私に当たるはずだった木の幹はまな板ほどのサイズに切断され、その一つがクルクルと飛んでいって……。


 例の男の後頭部に、直撃した。


「──!」


 声にならない声で男が倒れる。

 蚊帳の外のゴブリンたちは暫く唖然としていたが、仲間の仇と言わんばかりに男に襲いかかろうとした。

 しかしブチギレた狐がそれをさせない。


「その男を渡しなさい。さもなくばあなた達はここで全滅すると知れ。異論は認めません」


 (よわい)15とは思えない言葉と殺気を放ちつつ、鍵を左手の平にペシペシと打ち付け、ニッコリと話しかける。


 ゴブリンたちは顔を見合わせ、武器を構えた。

 言葉は通じているようだが、何をトチ狂ったのか「女1人くらい、やれる!」といった表情だ。


「そう。じゃあ──」


 ヒヒュン、という風切り音。その音が過ぎ去った頃、忘れたようにゴブリンの首が飛んだ。同時に5つ。

 残った2体は遠隔系なのか、少し離れたところで杖と弓を構えていたのだが、仲間の死を認識すると、元々青めの顔をさらに青くした。杖持ちの方はカチカチと歯を鳴らし、足元に水たまりを作っている。


「ねぇ」


 ドスの効いた声に跳ね上がる2体のゴブリン。

 それに構わず続ける。


「あと3秒で立ち去れば許してあげる。はいさーん、ぜろ」


 踵を返してあっという間に見えなくなるゴブリンたち。彼らの足元には深々と斬撃痕があるのだが……チッ、後衛なのに逃げ足早いな。

 しかしあっさり仲間の死体置いていくあたり、こちらはザ・モンスターって感じだろうか。


 しばらくすると、死体が光に包まれ、消えた。そこに残されていたのは巾着袋。中を開くと、汚らしい爪が入っていた。なにこれ、ドロップ品ってこと?街で売れるだろうか。


 ちなみに、攻撃の際、またしても鎖は伸びていたが、今は元どうりである。もはや突っ込むまい。


 ☆


「ンさてと!」


 実ににこやかに、ぐったりとうつ伏せで倒れる男に歩み寄り、足でひっくり返す。気を失っているようなので平手打ちで目覚めさせる。


「あぅ! あいたっ! な、なんだぁ……って、さっきの……ん?」

「おい、先程はよくやってくれたじゃ……なに人の顔ジロジロと見て……」

「いや、そんなまさか……でもこれは……」


 目覚めた男は私の言葉を無視して何やら観察し始めた。全身を見回されてゾワッとする。


 そして、ふいに私の尻尾をむんずと掴んだ。


「ひあっ! い、一体何を! やっぱり指の5、6本行っといた方がいいみたいだね」


 元々存在しなかった器官を触られてビクッとする。妙な感触だ。

 そして物騒なことを言い始めるが、男は無視して今度は耳を凝視する。


「まずは非礼を詫びよう。それより……な、なぁ、あんたもしかして……狐人(こじん)か?」

「うん? 狐人かはわからないけど、耳と尻尾はは狐っぽいですね」


 男の様子がおかしいので取り敢えず話を聞いてみる。


「狐人といったら1000年前に絶滅したはずだぞ……」

「ナ、ナンダッテー」


 もう驚くのも疲れたので、受け答えは適当になっていた。にしても、同族(?)が絶滅してたとは。


「あんた、何者なんだ?」

「さぁ、私もよくわかってないんです」


 突如落とし穴に落とされた挙句タコに襲われて、倒したと思ったらこの見知らぬ土地に連れてこられ、耳としっぽが生え、でっかい鳥にバカにされた人ですけど……。


「そう言えばあなたも耳としっぽがあるんですね」

「ったりめーよ! 誇り高き鼠人(そじん)だからな!」


 そう言ってポージングをとる男。似合わん。


 ネズミか……さっきの花火は関係あるのかな?


「あん? あんた驚かないのな」

「何に?」

「いやだって、鼠人だぞ?」

「ふーん、それで?」

「なんと……!」


 男が驚いたような落胆したような驚いたような複雑な表情になる。


「おほん。えっと、気づいたら向こうの草原にいたんです。だからこの辺の事情に詳しくなくて……鼠人、でしたっけ? その凄さってのが分からないのですけど……」

「……まぁいいや、攻撃しちまった謝罪も兼ねて街まで送ろうか?道中でよければ説明するが……」

「頼みます」


 表情をコロコロ変える男が面白くなって、怒りを切り替え、一応敬語を使う。

 せっかく送ってくれるというので、お言葉に甘えて馬車に乗せてもらおう。荷台は荷物でいっぱいなので、御者席の隣に腰掛けた。

 ここから一番近い街まで2時間ほどらしい。結構たくさん話が聞けそうだ。



「えっと、まずどこから話せばいいんだ?」

「うーん。とりあえず、自己紹介を。私は七海 藍波と言います」


 水をもらいながら名乗る。そしてこのネズミさんは何なのかを知りたかったので軽い挨拶も兼ねて尋ねてみる。


「俺は誇り高き鼠人のテルだ! 狩人あがりの商人さ!」

「誇り高きの部分はさっきも聞いたけど、狩人あがりって?」

「獣人国には討伐ギルドがあるんだが、そこで活動してたんだ。《鼠花火》は俺の十八番だな」

「ギルド、ねぇ…」


 あれだろうか、冒険者的な。


「冒険者ギルドは冒険者ギルドでまた別だぞ」

「何が違うんです?」

「簡単に言えば仕事の内容だな」


 冒険者は遺跡の探索や新天地の開拓、採取系が仕事らしい。

 対して狩人は小型から大型までの魔獣討伐及び捕獲が仕事。


「にしてもなんにも知らないのな。記憶喪失かなにかかい?」

「落ちてきたんですけど…」

「は?」

「いや、そのまんまの意味で。突然パカッと」


 それを聞いたテルさんは驚きとともにどこか合点のいったように頷いた。


「なるほど。どうりで鼠人にこの態度なわけだ。そうすると、王都に連れてく必要があるな……ちと遠くなるが、構わんか?」

「王都?」

「獣人国アニマ。それがこの国の名前なんだが、その中にもいくつか街があってな。そこの王都にあんたを知ってる者がいるかもしれ……」

「ほんとですか!?」


 食い気味で確認する。

 おおぅ、とテルさんが引き気味だ。失敬。

 それにしても、どういう事だろう?


「君はフォールン……『落下者』と呼ばれているんだが、これは上の世界から落ちてきた人という意味でな。基本的に王の命令で召喚(落と)してるんだよ」


 とすると、王様が私を招いたってこと?

 たくさん落ちてきていたけれど…


「一回の召喚で10人前後が選ばれるらしい。そういえば、他に人はいないのか?」

「……全員、死にました。あの化けダコによって……」


 怪鳥やゴブリンなどでバタバタしていて記憶の隅に追いやられていた奈落がフラッシュバックする。


「どういうことだ? 化けダコ? 落下とはいっても、安全面には配慮してあるはず……」

「安全? ははっ、アレが安全! 笑わせないでくださいよ! 目の前で死んだんです! 名乗ることさえも許されなかった……あっという間に」

「……落ち着け。王都に行けば全部わかる。嫌なこと思い出させてすまなかった」

「っ……いえ、すみません。取り乱しました」


 肩を押さえられて我に返ったが、無意識のうちに両手拳は手が白むほど握りしめられていた。


「いや、俺に配慮が足らなかった……話題を変えよう。フォールンならこっちの事情は知らないはずだからな、教えておこう」


 先程までのおちゃらけた感じはなくなり、真面目な顔になったテルさんによると、こちらの世界の名は『コスモ・グランデ』。私の住んでいた地球の裏側──言うなれば裏世界らしい。

 表との違いは、科学の未発達と地形、そしてある特殊な事象だそうだ。


「……科学の未発達というと?」

「地球だと『すまほ』やら『ひこうき』やら色々あるだろ?でも、コスモ・グランデでは物理法則がねじ曲げられるからな。あんまり研究されてないんだよ」


 さっきの《鼠花火》みたいなものか。

 というか、


「どうして地球の事情を?」

「ああ、それに関しては観測機があるのさ。次元妖術と翻訳妖術によっての、ね」


 なんでもニュースのようなものらしい。これを元に新聞なんかも作られてるそうだ。あまり長くはリンクできないため、断片的であるらしい。


「ん? 妖術? 魔法とかじゃなくて?」

「魔法っていうのは、人間と魔族が使うものだ。人間は体内の魔力、魔族は体内外含めて全ての魔力を使うことが出来る」

「魔族お得だね! ずるくない?」

「言ってしまえばそうだな。もちろんデメリットもあるが」


 魔族は体内外の魔力を「使える」のだが、これの制御は果てしなく難しいらしい。

 素人は蚊が止まっただけで霧散するとかなんとか。

 集中力なさすぎじゃないだろうか、魔族。戦闘中はどうするつもりなんだろう……それ用のアイテムとかあるのかしら。


「そんで妖力って言うのが獣人専用。これは体内には自然存在せず、外から取り込んで使う」

「魔族との違いがわからんです」

「魔族は外部の魔力をそのまま使うんだが、獣人は一旦取り込むんだ。そうすることで効率が跳ね上がるって聞いたぞ」


 ほーん、わからん。


「要するに、人間はバケツの中の水だけ。魔族はバケツの中の水に加えて……水素をいじってるようなもんだな。で、獣人は川の中から好きなだけ水を汲めるといった感じだ」


 なるほど、獣人の方が何気に効率よかったみたいだ。


 魔力と妖力はだいたい均一に大気中に混ざっており、木によって枯渇することがないらしい。表世界でいう酸素みたいなもんかね。


「それで、人間と魔族ってどこに住んでるんです?」

「魔族は北の山岳地帯に……人間は、東から南だ」


 なぜか苦虫を噛み潰したように話すテルさん。


「いや実はな……今現在、人間勢と獣人は絶賛戦争中だ」

「それってどういう……」

「1000年も前のことなんだが、猿人(えんじん)が裏切った。奴らは人間に一番近い種とされていたから情でも湧いたのかもな」


 そう言って彼は乾いた笑いを浮かべる。何か思うところがあるのかもしれない。


「猿人っていうのはな……十二支って知ってるだろ?」

「子牛虎兎……ってやつですよね?」

「それの昔話の内容は?」

「それも知ってますよ」


 確か、神様が動物達に競わせたやつだったような。

 年越しして、12番目までに神様の元にたどり着いた種を一年交代で大将にさせるとかいう。


「おおかたそれで間違ってない。ただ、大将にするにはあまりに格が違いすぎた。だって鼠と竜だぜ?」


 あー、お察しします。ただの餌ですもんね。


「そこで神様は動物達にヒトの体を与えた。その種族による特性もな。地球でいう擬人化ってやつだな」

「なるほど、ってことはテルさんって」

「おうよ。その一番乗りである『子』だな」


 まじかよ貴族的な感じでしたか。

 その事実に動けないでいると、テルさんはニヤッと笑って、


「ふっふ、やっと気づいたか……この俺の偉大さに!」


 おっと調子に乗り始めた。お願いだから手網を手放さないでほしい。


 テルさんによると、十二支族は上から格が決まっており、権力が強いんだとか。

 現国王は鼠族らしい。


「鼠族ってのは権力は強いんだが短命でな。60まで生きれりゃ大したもんだ」

「えっ、そうなんですか?テルさんはおいくつで?」

「俺はまだ24よ。折り返し地点間近って感じだな」


 そう言って笑うテルさん。屈強そうな顔して、短命種だったのか……。


「でも繁殖力は高いほうだし、何より『転生』もあるからな。金持ちは何100年か生きられるみたいだ」

「繁殖力って……それより『転生』?」


 繁殖力って孕みやすいとか、1度にたくさん生まれるとかそういう感じだろうか。年中盛ってるわけではなさそうだし。


「『転生』ってのは教会に金払って、寿命で死ぬとともにその体を5歳くらいまで戻す神の御業だ」

「5歳まで! 若返りすぎでしょ」

「そうさな。たまに見た目子供なのに酒飲んでるのとかいるぞ」

「なんて教育に悪い……」


 思わず頭を抱えそうになるが、こちらではこれが普通らしい。転生証明書っていうのが存在するから年齢確認に関しては問題ないとか。


「話を戻そう。この十二支のなかで9番目である猿人が、あんたと同じ狐人を襲ったとされている」

「……理由を聞いても?」

「狐人は、妖術のエキスパートと言ってもいい存在だった。周りの獣人を寄せ付けない圧倒的な攻撃力に高い知能。なぜ十二支に入っていないか謎だが……これを危険視した獣人排斥派の人間が猿人と手を組んで狐人の集落を滅ぼした。森を焼き、街を焼き、人を焼いた。伝聞を受け取って駆けつけた時には既に生体反応が無かったそうだ。全員、ネクロ化していた」


 ご先祖さまは、かなり強かったらしい。でもその狐人を打倒した術が分からない。

 そしてもう一つ気になった。


「ネクロ化って何です?」

「これに関しては未だ研究中だが、分かっていることは寿命以外で死んだ1時間後に復活するというものだ。復活といっても活動を再開するという意味であって、生き返る訳では無い。理性はなくなり、脳のリミッターも解除されるから力だけは凄く高くなるんだ」

「ゾンビみたいなものですか」

「わかりやすく言うとな」


 ネクロ化を防ぐには、死体を完全に破壊するしかないらしい。焼却や圧迫が主らしい。

 ネクロ化の元になった肉体が綺麗だと、ネクロ化しているのかの判別がつかなくなるらしい。目を見れば1発らしいのだが、見たことのない者は近寄って惨殺されてしまう。まことに厄介な話である。


「猿人は獣人の中ではトップレベルの頭脳と器用さを持つ。確か、まず狐人に取り入るところから始めたんだっけか。催眠作用のある酒をもって長とその側近に近寄ったらしい。催眠にかかったところで隠れさせていた呪術師により奴隷化、自分たちの街を襲わせた」

「なんて奴ら……でも、妖術のエキスパートである狐人は気づかなかったんですか?」

「同じ獣人だったからな。多分気を緩めたのだろう。かくして狐人は自分たちの街を自分たちで壊してしまったわけだ」


 わけだ。っていわれてもね。なんか裏がありそう。

 うーん、そうすると、私の立場ってなんだろう?


「それを確認しに、王都へ向かってる。もうすぐだから、しばらく休んでたらどうだ?」


 確かに身体が重く感じる。あれだけ動いたらこうもなるか。


 テルさんは表裏なさそうな人なので襲われる心配はないだろう。お言葉に甘えてしばらく眠ることにした。

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