第54話
なんだここ? いっぱい人がいるんだけど。ていうか無駄に広いなあ。立食パーティーかなんかか。
キャラメイクは面倒だったから、シュガーをそのまんまコンバートさせた。ゲームの開発会社が一緒で助かったぞ。
「おや。これは奇遇さー」
「キミは、ベルウッド!」
緑色の髪を三つ編みにしたベルウッドと遭遇。っていうか、まんまかよ。
「みんな面倒みたいでコンバートしてるみたいさー」
「装備もそのまんまコンバートできた。大体の感じも代わり映えしない。本当に新作なのか疑いたくなる」
「それは同感さー。ただの続編だったり?」
「それならアップデートで充分だろう。新作だと謳う必要もない」
ここから動くこともできないし退屈だ。結のやつはログインできたのだろうか。
フレンドリストを開いて、リバーアイランドを選択。表示はログイン。ログインしてるじゃん。
「ゴッドバレーもログインしてるさー。多分コンバートしてるはずさー」
ベルウッドが会場をキョロキョロ見ていると、金髪少女が難しい顔をしながら近づいてきた。ゴッドバレーだ。
「2人もログインしていたッスね」
「どうしたんさー? 珍しく浮かない顔して」
「何かの間違いならいいッス。けど現実ッス」
ゴッドバレーが、ホログラムのボードを呼び出してログアウトしようとするがログアウトできない。
俺とベルウッドはゴッドバレーを笑いつつ、ボードを呼び出してログアウトを実行――できないぞ!?
「なんだなんだ。寄って集って青ざめて」
「あ、赤髪……ヤバいぞ」
赤髪もコンバートしていたからすぐに分かった。いや、今はそれどころじゃないだろう。俺は赤髪に指示してみる。
「……なん……だと……!?」
赤髪も青ざめた。ログアウトできないってヤバくね?




