第281話
反対側も変わりなく――と思っていたら、あら大変。ある程度進むと、壁から針が出てきたり、地面から剣山が出てきたり。
「どうなってるんだ!? ワイス」
――言ったはずだ。私は知らないと。
「あたしの技で凌ぐのだ」
赤髪のバリアで罠を防いでいく。赤髪自身は粒子化で先を急ぐ。こういうときは本当に心強い。
「また明るい場所に来たさー」
罠を潜り抜けて辿り着いたところは、さっきと同じようなところだった。ような、だ。違うところはすぐに分かった。これ見よがしに宝箱が1個置いてあるんだ。絶対に罠だぞ。
「開けてみるのだ」
「マジかよ」
「何を怖がっている。また罠なら、あたしの技で防げばいいだけのことなのだ」
そりゃあまあ、そうなんだけど。けどやっぱり怖いじゃん。ドキドキする。開けた瞬間食われるかも。
――金髪の。この箱の鍵穴は特殊な形をしている。
「そう言われればそうだなあ。鍵を手に入れないと開けられないようだ」
「あたしが壊すか」
「なんでもかんでも壊せばいいってもんじゃない。壊せない仕様になっているだろう。ここは地道に鍵を探そう」
「待つッス。この鍵穴、剣先を挿すんじゃない? 鍵穴の横に剣の絵があるッス」
流石は忍者、目敏い。ふむふむ確かに。でも何の剣を挿せば。
――私を挿してみるんだ。同じ洞窟にあったんだ。可能性は大いにある。
「分かったよ。やってみよう」
剣を鍵にしている宝箱なんてどうなんだろう。これで罠なら泣くぞ。泣いちゃうぞ。




