第275話
抱きしめてキスをすれば元に戻る――簡単なことだ。
今の赤髪のかわいさって普段の何倍だろう? 彼氏の俺が言うとノロケにしか聞こえないだろうが、かわいいなあ。
「はあ……んっ」
「チートガールにも弱点はある。キミが強いことには変わりないんだ。勝利を喜ばないとだぞ」
赤髪の腰に手を回して力を入れる。優しく優しく抱き寄せて、そっと抱きしめる。赤髪の息遣いとか鼓動が伝わってくる。
「あたし……あたし……おかしいのだっ」
「分かってるよ。俺とキスすれば治るみたいだ」
「し、して……し……しきぃ」
今の俺はシュガーだっての。求められるのは嬉しいけどよ。普段とのギャップにやられちゃいそうだ。
赤髪と視線が重なる。赤髪の瞼が静かに閉じる。俺に艶やかな唇を向けている。ゴクリ。
「するよ」
「うん」
ゆっくりと静かに優しくキスをする。赤髪の腰に回していた手を、ゆっくり頭に動かし撫でる。そこから耳、頬、首と撫でていき、最後は優しく手を握った。
唇を離して視線を重ねる。手を繋いで伝わる熱は平熱に戻っていた。
「気分はどうだ? 結」
「今はリバーアイランドなのだ。いつも貴様がうるさく言っているではないか」
「よし、どうやら正気に戻ったようだ。あれはあれでよかったけど」
「ばっ、バカッ!?」
そうだそうだ。それでこそキミだ。俺の好きなキミだ。真っ赤な髪で真っ赤な顔を隠しやがって。かわいいぞ。




