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第268話

 茶色のロングコートを着て日傘を差した人。街には該当の格好をした人がいっぱいいる。だから大変。妾たちは手当たり次第に突撃していった。

 今、妾たちは街中のベンチに座っている。さっきまでプリンの大食い大会が行われていた場所です。みんなしてぐったり。疲労が隠せていません。隠す気力もないですが。


「「はぁあ~」」


 1時間頑張った結果、捜している人には巡り会えなかったよおおお! そんなのないよおおお!

 ファイアフィールドさんもウォーターヒルさんもウインドフェスティバルも沈んでる。もちろん妾も沈んでる。


「……これからどうしましょうか。……どうしますぅ?」


 意気消沈。今の百花繚乱(パーティ)を表す言葉。もう溜め息しか出ないです。


「クエスト諦めるか。やめることもできる」


「諦めが肝心ってやーつ」


「初陣で……失敗」


 みんな完全に諦めモードだよ。どうしようどうしようどうしよう。本当に終わっちゃうの?


「だ、駄目だよ! やっぱり絶対駄目駄目! この1時間を無駄にすることは絶対に駄目なの」


 妾は立ち上がってみんなを説得する。百花繚乱のスタートが失敗だなんて嫌。シュガーさんたちにも示しがつかないのです。


「じゃあ何か手はあるのか? 戦闘じゃないんだ。力ずくでどうこうなるものじゃない」


「残念だけど……何も。でも絶対にクリアできないことはない……諦めたくないのです!」


「……まっすぐだな。まっすぐだ。その目、佐藤始起に似ている」


「そうですかね? そんなに似ているかなあ?」


「そういう反応とか似ているな。影響をモロに受けているようだな」


「アイスハウスちゃーん。もしかして彼に惚れちゃってたーり?」


「なっ、何を言っているのっ!? あくまで尊敬です!」


 まったくもう。2人共、何を言っちゃってくれちゃってるんですか。心臓が飛び出すところでした。

 ウインドフェスティバルの目が痛い。その眼差しは何の意味を持っているの?


「仕方のないやつだな。もう少しだけ捜してみよう」


「そうだーね。諦めない限り、道はあーる」


「アイスハウスのためなら」


「ありがとう! よーし。ここから仕切り直しで――」


「――ちょっといいかな?」


 妾は肩を叩かれました。後ろを向いたら驚いたのよ。捜していた特徴とドンピシャな人が声をかけてきたのですよ! うっひょー!

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