第25話
本格的に夏を感じる。暑い。なんで夏は暑いんだ。どうして夏はやって来るのだろう。
俺は半袖にパンツ一丁という姿。自分の部屋だからこその姿だ。どうせ誰も見るわけじゃないし、へーきへーき。
「始起ー。結ちゃんが来たわよー」
母親が来客を知らせている。暑さで動きたくないのが本音だけど、結を待たせるわけにはいかない。
部屋を出て階段を降りて玄関へ。扉を開けると立っていたのはもちろん結。しかもワンピース。白ワンピ。
「こんにちは。急に来てごめんなさい。近くを通ったものだから」
「気にしなくていい。どうせなら上がっていけ。冷たい麦茶なら出せる」
「いただこう」
よく見ると汗をかいてるな。そんでもっていい匂い。これがフェロモンってやつなのかも。
俺は麦茶を用意して2階の自分の部屋に持っていく。ベッドと机とテーブルというシンプルな空間が、女子高生が入っただけで華やかになった……気がする。
「結。近くを通ったと言っていたけど、どっかに行ってたのか?」
「まあな。あたしにも趣味がある」
「華やかなところは苦手なんじゃなかったっけ」
「華やかではない。心が安らぐところではあるがな」
心が安らぐ、か。この辺にそんなところあったか?




