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第24話
森から草原に移動したあちしと承。緑色の髪を三つ編みにした承のアバター名はベルウッド。装備は弓だと言っていた。
「ゲームでも僕たちは離れられないようさー」
「案外、世界は狭い。それを思いしらされたッス」
幼馴染というか腐れ縁というか。毎日毎日、承が起こしに来ているというのは、あちしが承に依存している証拠。それが当たり前となっていることが異常なのかもしれない。
「少しはキャラを作り込めばよかったのに。身体のサイズから髪色から全部現実そのままさー」
「この服をどうしても着たかったッス。仕方ないッス」
「ヘソだし、太もも露出のそれを?」
「確かに露出が多くて恥ずかしいけど、それ以上にかわいいッス。現実じゃ着れない分、こっちでオシャレを楽しむッス」
なんだか無性に眠い。草原で寝そべっているから? 風も心地よくて贅沢ッス。
「おーい。寝るのは勝手だけど不用心さー」
「承が……いるッス……」
「あーあー、寝ちゃったさー。僕を信頼してくれているのは嬉しいけど。……ったく。かわいい寝顔しやがってさー」




