第222話
俺は間違いなく戦力外だ。だが、このエクスカリバーは違う。きっと戦力になる。
百萌――ファイアフィールド1人じゃ敵わなくても、俺のエクスカリバーとなら勝てるはず。
「奥義で倒せる確率はどのくらいだ?」
「さあな。ラスボスを奥義で倒したと熊切は言っているが、あたしにはラスボスが誰なのか分からない。1つだけ言えるのは、絶対じゃないということだ」
「じゃあ俺が絶対にしてやるよ。突破口を作る」
何度も俺たちのピンチを救ってくれた技を喰らわせてやる!
「何をしようと無駄だ。能力を封じればいい」
「言っていろよ。いくぜ、デリート!」
ありとあらゆるものを消すことができるエクスカリバーの技。さあ、どうだ?
「がはっ……! そんな……バカな!?」
うっし!
「今だ! キツいのを喰らわせてやれ!」
「恩に着る!」
赤いオーラを全身に纏ったファイアフィールドは凛々しく、強い目差しをグレイズに向ける。
グレイズのことなんて分からない。だから、力を消してみた。どんなに殴ってこようが痛くも痒くもない。何度でも言うよ。まさにチートだエクスカリバー。
「能力が……何故だ!?」
「封じる力を消しただけだよ。相手が悪かったね」
「はああああ! 喰らえ乙女のジャスティスバースト! シャイニングライザー!!」
なるほど! イベントで上映されていたのはラスボス戦だったのか。
「ぶへうぅはぁああああ」
エグい。いろんなものが飛び散って。そこはオブラートに包んでもいいのに。まあ、勝ちは勝ちなんだけど。
「はあ……はあ……。これで全てが消え――」
「――どうした?」
あれ? 4人がいなくなっちゃったぞ。




