第188話
ゲームでさえ戦闘は勘弁と思っているのに、これが生身ときたもんだ。はっきり言って逃げ出したいよ。俺は戦いが苦手だ。今もそれは変わらない。
だけど、そんな弱気なままじゃ駄目なんだ。今は自分の意思なんてかなぐり捨てないと駄目なんだ。ここでの負けは、ゲームオーバーなんかじゃ済まないんだ。
「デストラ、だっけ。キミ、その気になれば、みんなをどうとでもできたんじゃないか?」
「そうだとも。ワタシの世界に足を踏み入れた時点で、お前たちはワタシの意のままだ」
「じゃあ、なんで殺さなかった? なんで消さなかった?」
「いつでもできたからだ。ワタシにとって人間など石ころ同然」
「キミだって石ころじゃないかよ」
「人間とワタシとでは格が違う。人間にはできないことができる!」
地面から草木を生やした。世界を作れるんだから当然といえば当然か。これで俺を縛りつけようって魂胆だろう。だが残念。俺には効かないよ!
「こんなもの!」
「ワタシのを消した!?」
「俺のエクスカリバーの前では無意味。さあ、どうする?」
「そうか。随分と威勢がいいわけだ。ならば……そのエクスカリバーとやらを消せばいい」
やっぱそうきたか。やれやれ。
「そうはさせるか! デストラ。キミをデリートする」




