第178話
ここはどこ! 妾は誰!? もちろん、妾は氷室乱なのです。電子変換でアイスハウスになりきり中。
適当にゲートを抜け続けていたら迷子になってしまったの。場所が全然分からない。地図なんてないし。世紀末みたいな街は怖い。
「う~う~」
なんで空は赤いの。夕焼けじゃなくて赤いの。カラスがあっちこっちに飛んでは鳴いてる。それだけで恐怖が増すのです。どういうわけか現実に帰れないし。はあ。
「誰もいない……よね。生身だと尿意がやってくる。トイレトイレ」
適当な建物のトイレを使わせてもらおう。誰もいないけど。
――ふぅ。間一髪だったのです。これでまた歩くことができるの。
「フハハハハ!」
な、何の声かな!?
「さあ、私を楽しませてくれたまえ!」
街に誰かいる! 怖い怖い!
一刻も早く街から出よう。声の主と遭遇する前に! あわわ!
「フェニックス!」
ええええ――っ!! 建物が崩れてきたああああ!! やーばーいーのーでーすー!!
「とう! 間一髪といったところか」
誰だか分からないけど助かったのです。
えーと……全身白タイツの人……怪しいんだよ。
「あ、あの~」
「このホワイトストーンが来たからには安心。仲間が少々目立ちたがりなのには目を瞑ってほしい」
「目立ちたがりとは失礼な。私は必然的に目立ってしまう運命なんだ。自分ではどうしようもできん。そこの青髪の君、怪我はないかね。私はレッドウェル。私が来たからには安心だ。存分に信用してくれたまえ」
この人たち、信用して大丈夫なのかな?




