第136話
これで終わらせる。みんなを助けるんだ!
「てるてるミラクル!」
雨あられで濡れてもらう。
「殺ス」
「悪いが俺は殺られない。濡れた身体に浴びせてやるよ」
てるてるミラクルは強い。ちゃんと戦闘にも使える優れものだ。雨の次は雷を落とす。痺れて動けないところを狙う。
「雷怒り!」
「グッ……!?」
よし、今だ!
ダークエルフからエクスカリバーを奪い、颯爽と構えれば形勢逆転だぜコノヤロー。
「シュガー、どうしたのだ」
「ダークエルフは俺が倒す。みんなは下がっててくれ」
「随分な自信だ。いったい何があったのかね?」
「あとで話す」
赤髪もレッドウェルも俺の様子に驚いている。無理もないか。俺は戦いが嫌いで、自分から前線に出ることなんてない。
まあ、驚いているのはダークエルフもだけどよ。身体が思うように動かなくて困惑している。
「殺……ス」
「悪いけど、これで終わりだよ。フン!」
エクスカリバーを手にしたのを楽しむのは後回しだ。一刻も早くタラスクを倒さないといけないんだ!
案外切れ味は普通なんだなあ。あんまり倒したって実感が湧かない。ダークエルフが消えたから、倒したのは間違いないだろう。
「シュガーの兄貴、凄いです」
「やればできるってやつッスね」
「このホワイトストーンも感服した」
「見事だったのだ」
「ククク。能ある鷹は爪を隠すぞよぉ」
「では話してくれたまえ。君の快進撃のわけを」
「分かったよ。論より証拠だ。これを見てほしい」
ホログラムのボードを呼び出してみんなに見せた。
一斉に驚きの声が上がっておかしくて。ちょっと視線が痛いのも心地いい。今この瞬間だけでも、みんなの役に立ててよかったよ。




