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第12話

 俺はイスに座っている。強制的にである。

 テーブルにはティーカップが置かれている。中身は紅茶だ。


「飲め」


 向かいに座る赤髪の視線が痛い。手を組んでジーッと俺が紅茶を飲むのを待っている。それに怖い。


「い、いただきます」


 こんなに手って震えるんだなっ!? なかなかカップを口に運べないぞ。恐怖で震えが止まらん!


「さっさと飲めや。あたしの淹れた茶が飲めないっての!」


「飲む! ゆっくりじっくり!」


 ヒィィ――ッ!! こんな殺気を向けられながら飲んだって美味しくないだろうに。これは新手の拷問かよ。飲めばいいんだろう! 飲めば!


「……どうだ……?」


 ちょっと! どうして身を乗り出してくるんだよ! 危うくこぼすとこだったじゃんか! それに顔が近い。俺をどうしたいんだ、まったく。


「悪くない」


「悪くないだと? なんだか歯切れが悪いね」


「言ったろう? 俺はコーヒー派だって。紅茶の評価はできないよ」


「使えないやつ」


「使えなくて結構だ。どうせならNPCに飲んでもらえよ」


「NPC相手だと張り合いがない。高性能AIとはいえ、生の人間には敵わん」


「面倒なやつ」


「面倒で結構。人間は面倒な生き物でな」


「どうしてもってなら砂糖とミルクをくれ。だって俺はコーヒー派――」


「――あぁん! 砂糖とミルクだぁ!? そんなものは邪道だ!」


「俺は甘党って言ったぞ」


「貴様に淹れる紅茶などない!」


「ミルクティー全否定か!?」


「あたしはミルクティーが嫌いだ!」


 なんだよそれ。俺、知らないぞ!

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