第118話
赤髪によってエリア100はクリアされた。
俺たちは真っ白い空間に飛ばされる。うーん。特にこれといって変化はないか。
「これで終わりだとしたら肩透かしなのだ」
「私にフェニックスを使わせたんだ。見合う報酬があってもいいはずだがね」
赤髪もレッドウェルもこの展開に納得していない。ただの大がかりなイベントで済ますとしてもお粗末だろう。
「ククク。我の苦労も無駄に終わったようだのぉ」
「おねえさまと一緒にいられただけで充分だーよ」
「このホワイトストーン、満足している。この目で強者をたくさん見れたのだから」
どうやら、ほかのプレイヤーたちは報酬とか要らないみたいだ。まあ、俺もそこまで執拗に要求はしないけど。
「あちしは、ベルウッドが倒された時点で正直気が削がれていたッス。それでもこうしてクリアできたら嬉しいッス」
「俺たちは、もう既に何物にも代えがたい報酬を得ているのかも。そういうことでいいんじゃないか」
「し、しかし」
「私たちはゲーマーなのだぞ。一時の感情で満たされるものではない」
「すまん。あたしもレッドウェルと同意見なのだ」
何に価値を見出だすかは個々によるだろう。地位や名誉で満足するやつがいる一方、何かしらの形あるものを得なければ満足できないやつもいる。それが人間だから仕方ない。




