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第114話

 遂にここまで来たぞ。最後のエリアに!

 さて、いったい最後は何が出てくるのやら。まあ、こっちには赤髪にレッドウェルとホワイトストーン、ベアーオフとゴッドバレー。敵に回すと厄介だけど、味方にすれば心強いやつらがいるんだ。そう簡単に負けやしないだろう。


「今までと雰囲気が違う。データの剥き出しみたいなとこなのだ」


「私はゲームは好きだが、プログラムの類いはからっきし。あちこち飛び回っている数式を見ているだけで意識が遠くなりそうだ」


「まさしくゲームの神秘じゃないか。どんなに凄くても所詮はデータの塊にすぎない。だからこそ遠慮は要らないのさ。どんな相手だろうと、このホワイトストーンが蹴散らしてやる」


 データの塊、か。そう言っちゃえばそれまでだよ。今の俺たちはデータの塊で、俺たちが夢中になっているのもデータの塊。けど、俺たちのゲームを愛する想いは本物だ。本気で遊べるからこそ燃えるんだ。


「ククク。どうやら、あれが最後の敵みたいぞよぉ」


 ベアーオフが指を差した先には、光沢感のあるやつが立っていた。しかも、見覚えがあるぞ。あはは……まさか……。


「待っていタ。今度こソ、人間ヲ倒ス」


 グレイだ――っ! どんだけ執念深いんだよ、あの宇宙人は! 鏡みたいな身体になりやがって。俺たちの姿が見えてるぞ。


「貴様もしつこいな。大人しくくたばっていればよかったものを。何度も倒されるのは苦痛だろ」


「人間ヲ倒ス。そのためなラ、何度でモ――」


「「!?」」


 俺たちは目を疑った。その光景は俺たちの戦意を削ぐには充分すぎた。数の暴力とは言ったものだが、こいつはちと多すぎだぜ。


「「――蘇ル!!」」


 鏡張りのグレイ――ミラーグレイの集団がズラーッと立っている光景は圧巻だ。圧巻すぎてヘドが出る。

 俺も戦わないとだ。短剣が役に立つのか? 見た目は硬そうだぞ。

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