第102話
戦っても戦ってもキリがない! まともに相手をするだけロスになるだけだ。さっさとボスを見つけて倒さないと。
俺、赤髪、ベルウッド、ゴッドバレーのほかにも、このエリアにはプレイヤーがわんさかいる。みんな俺たちと同じように苦戦しているようだ。
「誰がボスを倒そうが全員進めるんだろう? 俺たちが頑張る必要あるか?」
「貴様、本気で言っているのか!? 討伐報酬があるかもしれんのだ! そんな呑気で弱気でどうする!」
「俺、戦いは苦手なんだぞ。忘れたのかよ」
「1人でも消極的なやつがいると士気が下がる。あたしが一緒にいることを忘れるな! 貴様はあたしが全力をもって守ってやるのだっ!」
赤髪が俺の手を握ってくる。柔らかくも力強い感触が伝わってきて、俺を高ぶらせてくれる。
「イチャつくのは結構ッスけど、あちしたちの状況は変わってないのを忘れないで」
ゴッドバレーがジト目で見てくる。そんな目で見ることないだろう。なんか羨ましいそうに見ているようにも見えるが。
おっと。とかなんとか思っちゃったりしていたら、なんだか周りが騒がしくなってきたぞ!?
「「わああああ――っ!!」」
プレイヤーたちの悲鳴が聞こえてきやがる。どうやら、このエリアのボスがお出でなすったようだぜ。




