サバイバル生活9
こっそり投稿です
森の民、エギルの親戚?達とであって数日になる。
「お、焼けたぞ?じいさんどうぞ」
「ぎゃ、ぎゃぎゃんご~(いや、すまんのう)」
「ぎゃぎゃ(私はこっちね)」
「あ、エギルそれ俺の~」
「ぎゃぎゃぎゃ(早い者勝ち~)」
彼らは俺の家に入り浸っていた。
最初は恐縮してたふうだったじいさんも、今では干したキノコを持参して俺の特性囲炉裏できのこを焼いている始末である。
持参するきのこは見たことのないキノコだった。
色は乳白色で形はエリンギに近いゴン太、傘は螺旋階段のようにうねっている。
見た目はアレだが香りもよく塩を振って焼くだけで旨い。
だが、ここ辺りで探査を幾度となくやってきたが、一切見つけられなかった。
一体何処から採取してきたのか気になり相変わらずボディーランゲージを交えて聞くも、やはり伝わらなかった。いや、伝わったのかもしれないが、彼らが何を言ってるのかわからなかった。
「なぁ、このキノコ探したけど見つからないんだが。どこで採取してるんだ?」
「ぎゃ?キノコ?ぎゃ、ギャギャギャギュガギャカギャンギャギャギャゴブリンぎゃハキリアリぎゃぎょぎょぎょキノコギャイギャイギャギャギャ(ん?キノコ?ふむ伝わるは分からぬが、我ら森の民はハキリアリとともにキノコの栽培をしておったんじゃ)」
「・・・?」
「ぎゃー、ギャギュギャギョギョギョギィアリガぎょぎょギャギェゲギョウ。ギョギョギャギギャンギャギョ(じゃが、ある日恐ろしいアリに襲われてのう。我らは数匹の生き残りのハキリアリ達と共ににげだしたんじゃよ。)」
「ふ~む」
ウィルは困った。
単語単語ならある程度理解できたが、ここまでの長文は難しい。
理解できたのは、キノコ、ゴブリン(多分森の民)、そしてハキリアリである。
気になったのはハキリアリ
ハキリアリといえば前世北アメリカ東南部から、中南米の熱帯雨林帯を中心とした地域に広く分布している。結構特殊な蟻で【農耕】をする蟻として有名だ。
他のアリには見られない特異な生態を持つ事で有名で、働きアリは列を成して、様々な木に登り、そこにある葉を切り落として次々と巣へと運んでいく。その姿は葉が独りでに歩いているように見える光景になる。そして切り落とした葉を巣へ持ち運ぶが、この葉をエサにする訳ではなく、地下の巣の広大なスペースに葉を運んで、その葉に特殊な菌類を植え付ける。これはアリタケと呼ばれ、植物の葉を栄養源にして菌類は増殖し、育っていくが、その為にアリ達は葉を運び、この菌類をエサにしている。地下のこの菌類を栽培するスペースは、生育に適した温度と湿度が保たれ、アリ達はその環境を維持するために葉を運び続ける。そしてアリタケもハキリアリがいなければ生息と増殖が出来ない相利共生の関係にある。
特殊すぎてダーウィン(TV)で見たのをよく覚えている。
ということは、このキノコはハキリアリのキノコなのだろう。
ゴブリン(森の民)はハキリアリと共存してきのこ栽培をする民ということだろうか。
「なぁ、今度村に行っていいか?」
「・・・はぁぎゃぎゃぎゃんぎょ(はぁ、かまわんよ)」
「ギャッホー、ウィルぎゅぎぇぎぇぎげぎゅぎょげ(やった!ウィルを連れて行けるのね!)」
「お、これはOKぽいな」
とうとうおれは彼らの村へ行く許可が下りたのだった。
ありがとうございました。