サバイバル生活5
あの日以降、エギルとの交流は続いている。
相変わらず川を中心に探査しながら虫を・・・こほん
食料を調達している俺のもとへ、毎日のようにエギルは現れる。
言葉は通じないが毎日昼食を一緒にしているとだいたい何を考えているか分かるようになった。
彼女、エギルには感謝している。
あの唐辛子のような実の他にも、木の実や食べられるキノコを持ってきてくれたのだ。
キノコ
山の幸だ!素晴らしい!!
人間らしい食べ物を食べると自分が人間なことを忘れずにすむね。
ただでさえ、最近人間離れしてきてるし・・・。
ただ、その欲に負けて適当なきのこを食べたのは失敗だった・・・。
不味さにすぐ吐き出したのにその晩は下痢が止まらなかったのだ。
大噴射のハイドロポンプと化した俺はかなりの脱水症状だった。
近場に川がなければ干からびていたに違いない・・・。
そんな我が友人?エギルだが彼女の住んでいるところには頑なに送らせてくれない。
たぶん、ある程度近場なはずなのだが・・・。
だって、初めて会ったときエギルの他にも数人の子供いたし。
子供の足で行ける距離なんてタカがしれている。
にも関わらず、俺は彼女の住む村か集落か・・・はたまた街なのか。
そこに行けずにいた。
そこに行けば、今後のことで色々有利に・・・。
いや違うな、単に交流したいだけだ。
でも、その交流すらエギルがいれば結構満足している。
その為、彼女が嫌がることはしていない。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
「ぎゃぎゃ!(こんにちわ!)」
「お~エギル、やっほ~」
「ぎゃっほ~」
さて、今日も朝からエギルがやってきた。
最近、なんとなく俺の言葉を真似されている気がする。
俺は、エギルにサワガニ二匹を差し出し、もてなす。
「今日は、家を作ろうとおもう。場所は決めている」
「ぎゃ?」
場所は決めたというか。結局このいつもの滝壺からすぐの場所だ。
サワガニをバリボリ食べながらエギルと連れ立って着いた場所は
ある程度の広さがある場所だが、大木が数本倒れている場所だった。
たぶん落雷か台風?のようなものでなぎ倒されたのであろう。
この場所の朽木、大木を片付けて土地にしようとおもう。
「さて、まずこのなぎ倒された木を片付ける」
「ぎゃ?」
「エギルはそこで休んでて?流石に女の子に手伝わせられねぇし」
俺は徐に大木に手をかけ
「よっと」
一気に持ち上げた。
「ぎゃっ!?(え!?」
「あはは、びっくりした?俺力強いみたい」
「ぎゃぎゃ!ぎホブゴブリンぎぎゃ!(すごい!さすがホブゴブリン様!)」
そう、俺の力は随分強くなっている。
もう、認めよう。
いや、たぶんあのマンドラゴラのせいということにする。
最近、自分が人間なのを忘れそうになるのはこれも原因なんだ。
虫ばっか食ってるのもあるけどね。
俺は持ち上げた大木をどんどん一箇所に集めていった。
その作業を見ていたエギルも手伝おうとしてくれたのか折れた枝なんかを集めてくれている。
さぁ。
ようやく家づくりの始まりだ!
ありがとうございました!また明日おあいしましょ~ヽ(*´∀`)ノシ