幼児期1
1歳になった。
転生してから1年、今までまともに立ち上がる事が出来ず、思いつく筋トレと発声練習、言語理解努力、後は将来の妄想を行ってきたが、今や俺は自らの足で歩く事が可能だ。
まだ、バランスは悪いが問題ない。
兎に角神童人生を目指して頑張ろう。
まずは情報収集だ。
一度、現在分かっている事を整理する。
実はこの部屋、両親も一緒の寝室なんだが本がない。
その為、文字やここが何処の国なのか見当がつかなかった。
両親の会話から分かるのは
ここが日本では無いこと。
父母のブロンド髪からヨーロッパでは無いかということ。
父がビドウィン、母がサティセラ。
そして、俺の名前はウィル。
父の仕事が農家という事や近所の人の名前くらいだった。
俺もカタコトで会話に参加するも、うちの子天才だ!とかそんなんばっかで、中々会話が進まない。
まぁ普通1歳児に国の事とか話さんわな。
後、この家は少し前世日本に比べたらビンボーかもしれない。
テレビが無いのだ。
リビングにもなかった。
ただ、世界中が日本と同じ生活環境とか夢は見てない。そういった国があるのも知ってる。
情報収集といえば、ネット、テレビ、聞き込みなわけだが。ネットはパソコンが無いことから繋がってなさそうだし、テレビもない。
ならば聞き込みしかないわけで・・・。
「おかぁさん」
「なぁにウィル?」
「ここが何処の国なのか教えください」
「あらあら、お国なんて言葉何処から覚えたのかしら。うふふ。ここはねぇーテルベリアっていう国の西にあるカモイ村よー」
「・・・てるべりあ?」
「そう、テルベリアのカモイ村」
聞いたこと無い国名だった。
確か地球上に存在する国は全部で196ヶ国くらいあったはずだ。まぁ、それ全て知ってるかといえば
答えはNOだし、生活環境を見るに発展途上国なのかもしれない。
これは、神童人生に吉とでるか凶と出るか。
兎に角、情報収集と筋トレを続ける事にする。
2歳になった。
あれからも情報収集と筋トレを続けた。
体格も以前よりましになり、走れる。
たまに転ぶが大事無い。
その後分かった事だが
やはりあまり裕福な家庭では無いらしい。
これは予想範囲内だが村も貧しく、国じたい不味そうだ。
こんなご時世に戦争がどうとか父が話していた。
現在において戦争なんてそうそう起きやしない。
あっても対テロとかだし。
まぁ、前世日本人としてはなかなか現実感が湧かない。
それはさて置き、今日は母の買い物に着いて家の外へ向かう予定だ。
今までは家から出して貰えなかったが、今日両親からOKを貰った。
楽しみだぜ。
早くも二歳!