夢と夢?
そして 前を向いた時だった
真っ白な手が 俺の目の前に差し出されて
「ねぇ 一緒に遊ばない?」
俺は 叫び声を上げて気を失ったのでした…
ふと気が付くと 俺は 寝間着姿で
自室のベッドに 横たわっていた
あの出来事は 夢だったのか?
その時 まだ微かに震えている
自分の手に気付いた
やっぱり あれは・・・ いや でも
そして 次第に瞼は重くなり 俺は
眠りに就いた
翌日 パンと珈琲の香りで 目を覚ました
毎朝 隣の部屋から漂ってくる この匂いが
俺は とても 羨ましかった
「いいよな〜 毎日 朝食作ってくれる人が
居る奴は〜」
ボヤきながら 瞼を擦り ベッドから
降りた時 辺りの異変に気付いた
な 何だこりゃ⁉ 一体どうなってるんだ?
俺は 呆気に取られて 佇んだ
何故かと言えば 足の踏み場も無い程
散らかっていた筈の部屋が
綺麗に片付いていたからだった
何故?一体誰が片付けたんだ?
その時 隣のキッチンから声が聞こえた
「あら 起きたのね 丁度良かったわ」
「え? 」
パンと珈琲をトレーに載せて
部屋に入って来た 女の子を見て 俺は
愕然とした……
それは昨夜 夢?に見た女の子だったからだ
「ど どうして 君が・・・?」
そもそも あれは夢じゃ無かったのか?
いや 夢じゃ無いとしたら おかしいだろう
仕事帰りに 公園であの子を見かけて
俺は公園に寄って そして気を失ったんだ
作業着姿のままで……
それなのに 寝間着でベッドに寝ていた
どう考えても おかしいよな
それじゃ 俺は 一体 どうやってこの部屋に
帰って来たっていうんだよ・・・
「あの〜」
突然耳元で 囁かれた俺は驚いた
「うわっ! な 何? 」
「珈琲が 冷めちゃうよ?」
彼女では無いが 朝食を作ってくれて
俺が 食べるのを 待ってるなんて・・・
それは正しく 夢にまでみた その光景が
今 ここに 実現しているじゃないか!
まぁ 彼女じゃあ 無いけど・・・
俺は コホンと一つ咳払いをすると
綺麗に掃除された カーペットに座った
テーブルの上には 用意された朝食がある
「い 頂きます」
両手を合わせて 俺はパンを頬張った
それが 自分で パンを焼くよりも
何故か 分らないが とても美味しく感じた
そして 珈琲でパンを ゴクリと流し込む
その珈琲も 美味しかった
少し苦味を感じたが 気になる程でも無く
一気に飲み干した
「ご馳走様」
カップを置くと 再び両手を合わせた
すると そんな俺の様子を 伺う様に見て
「朝食って ご飯が良かったかな? 」
「い いや 俺はパン派だから 大丈夫!」
「そうなの? じゃあ 良かった〜 」
その微笑みを見て ドクンッと大きく
俺の胸は 高鳴った
え⁈ 何だよ これは 何故 こんなに
ドキドキしてるんだよ 俺は・・・
「どうしたの? 顔 赤いけど大丈夫?」
「い いや 別に 何でも無いよ」
「そう? じゃあ食器片付けるね」
「あ う うん 有難う」
ドクドク高鳴る鼓動が 俺に言ってる様に
聞こえた
「好きになったんだよ」・・・と




