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物ノ音  作者: 由雨
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第一話

初めて書かせていただく小説になります

つたない所ばかりだと思いますが読んでいただければ幸いです


随時修正して行くのでよろしくお願いします

俺(村野圭吾)は、物心ついた時から物の声が聞こえる

これが特別な事なんて思わなかったし、皆聞こえるもんだと思っていた


幼稚園の時は、変わった子供ぐらいに思われたのか周りの大人も子供も何も言わなかった

ところが、小学校に入学してから話は、変わった

「物が話す訳ねーじゃん」

「嘘つき」

皆から嘘つき呼ばわりされ俺は、物の声が聞こえる事を誰にも話さなくなった・・・

そして、そのまま小学、中学と卒業して明日から高校生になる

そんな事を考えながら一人暮らしの準備をしていると


「おめでとうございます坊ちゃん」

と声が聞こえた

この声の主は、俺の祖父ちゃんが愛用しているカップだ


昔から何かと俺の心配をしてくれるいい奴?いいカップなんだが

「無事高校に受かって私は、嬉しいのですが坊ちゃんにもう会えなくなると思うとうっうっ」

いかんせん涙もろいのが玉にキズだ

「一生会えなくなるって訳じゃないだろう?長期休みの時は、帰ってくるし」

「それでも爺は、寂しいのです。」

本当にオレ思いのいいカップだ


そういえば中学の時に分かったことがあるんだが

どうやらオレは、全ての物の声が聞こえる訳ではないらしい

誰かに大切にされた物じゃなきゃダメみたいだ

まぁ、例外もあるんだが


実際、祖父ちゃん愛用のカップの声は、聞こえるが

母さんが買ってきた新品のコップは、聞こえない


まぁ、ウチには、大切にされた物がたくさんあるから騒々しいのには変わりないんだが


「爺さん、圭吾の事は、オレに任せろって」

そう声を出したのは、俺の右手の時計だ

名前は、クロ

時計って何て言うのって親父に聞いたとき何故か親父がクロックだよって英語で教えてくれ

クロックの最初を取ってクロだ

小学校の入学祝いで買って貰って腕が大きくなるたびにベルトを交換して貰って今じゃもう9年の付き合いになる

「オレがコイツの面倒見てやるからよ」

「じゃが、やっぱり爺もついて行った方が」

「ダメだろ、そしたら祖父ちゃんがコーヒー飲めなくなって困るだろ」

正直、俺も寂しい

小学生の時、友達がいなかったオレの話し相手になってくれたしな

だけど、毎日心配されるのは、正直ちょと・・・

「爺、オレのいない間・・・この家守ってくれるか?こんな事爺にしか頼めないんだ」

話しながらクロの方をチラ見すると

「そうだぜ、爺さん!ココを守れるのはアンタしかいないぜ」

オレの意図をすぐに理解しクロが加勢に入ってくれた

流石9年の付き合いは、伊達じゃないな

「わ・・・わかりましたー、坊ちゃんがそこまで頼むのであるならこの爺カップの取っ手が取れるまでこの身が割れるまでこの家を守らせていただきます」

爺は、おだてやのせられに弱いからな

「はて、しかしどうやって守れば」

爺が話してる途中で祖父ちゃんがやってきた

「おおー、ワシのカップこんなとこにあったのか。さて、今日はブルマンを飲もうかの」

と言い爺を持って行ってしまった

「坊ちゃん、私はどうやって家をお守りすればー」

遠くなる爺の声

「あー、連れてかれちゃったな」

クロにそう言うと

「そうだな」

何だか可笑しくなり二人で笑ってしまった

「早く荷造り終わらせちまえよ」

「そうだな」

明日が、引越し

明後日が入学式

どんな高校生活になるのか楽しみだ


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