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草地、逃げる、雑貨屋
僕は懸命に走っていた。
何かから逃げるために、捕まらないために…。
けど、逃げることで精一杯で、なぜ逃げているのか思い出せなかった。
もう足が動かない…。
立ち止まった僕の目前に、雑貨屋があった。
こんな草地の真ん中に店があるなんて変だな、とは思ったけど、
無性にのどが渇いていたので、何か飲みたくて店に入った。
店番をしていたのは、なんと妻だった。
全てを思い出したが手遅れだった。
「あなた。 アケミってだれなの!」
何から逃げてたんでしょうねぇ、奥さんの追及から逃げようとしてたのかなぁ?ふふふふ。逃がしませ~~~んって感じ?あはは。