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薮、笑う、銅鑼
「この薮が!」
特大の銅鑼声が、その主が、そう叫びながら階段を追いかけてくる。
「薮ってなによ? そもそも私は医者じゃないわ?」
そう言いながら、スピードをさらに上げ、階段を駆け上がる。
屋上に出て「どうしよう?」そう考えていたが、銅鑼声の主はすぐに追いついてきた。
「もう逃がさないぞ」
そう言い、恐ろしくも可愛く笑う。
「さぁ、ちゃんと貼れ」
「文句言うくらいなら自分でやってよ! 指先に絆創膏貼るの、難しいのよ?」
結局、この二人は仲がいいんですよね。銅鑼、鳴らす事にしようか、どうしよう、どんな使い道が?なんてぐぐってたら、銅鑼声ってのがひっかかって、あ、それでも良いんだ!って思ったら、こんなジャレアイが思いついてしまいました…。




