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海、幽霊、紐
俺は心底困っていた。
「だから! やめろ! やめてくれ!」
「だーって、あなたと一緒に海に行くのが夢だったのよ?」
彼女がそんな事を言いながら、俺のほうに向かってウィンクする。
カワイー。
おっといかんいかん。 惑わされちゃいけない。
「ほらー、ほらー」
ここぞとばかりに、彼女が迫ってくる。
俺は鼻血が出そうになり、慌てて逃げ出す。
必死に欲望と戦う。
これは洒落にならない。
このままでは、紐パンツの幽霊に悩殺されてしまう!
紐、使い方に困りました。で、苦し紛れの使い方に…。一緒に海に行くのが夢だった、そんな事言うなんて、幽霊の癖にちょっと可愛いですね。でも、彼の方は、この幽霊の事をどう思ってるんでしょう?あまり本気で嫌がってる訳じゃない感じだし、幽霊の彼女も、その口ぶりからは元は恋人なのかなぁ?何てもしますけど…。深く考えると訳が判らなくなるので止めておきます。(なんて、自分のキャラなのにねぇ?)