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石ころ、鈴、バス
私が石ころだったら、何も感じなかっただろうか。
あの人が、私など見ていないと知ったとき。
私の中で何かがずれた。
迫り来るバス。 きっと止まりきれない。
それでいい。 これで私は石ころになれる。
早く楽になりたい。
どこかから鈴の音が聞こえた様な気がした。
酷く悲しい音。
次の瞬間、バスは通り過ぎ、石ころに成り損ねた。
「ばかやろう!」
私の腕を引っ張って泣き叫ぶ、アンタが本当のバカよ。
でも、バカ同士も悪くないかな……。
文学少女風三題噺作成からもらったお題です。助けてくれたアンタ、誰でしょう? でも、その顔を見ながら、ふと、この人と一緒になら、生きていくのも悪くないかもしれない。なぜか突然そんなことを感じた彼女。 って意味不明な感じですねぇ……。