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陥落、筆圧、ページ
私は氷の女王って呼ばれてる。
美人だけど決定的に冷たい視線。
私が睨めば、誰もが目を逸らす。
そう信じてた。
けど、あいつ。
思いっきり睨んだのに、柔らかく微笑んだ。
心臓が跳ね上がり、私が目を逸らしてしまった。
以来、教科書のページをめくる手は震えるし、
筆圧もコントロールできずに、ノートはびりびりだ。
こんなにあっけなく陥落するなんて、自分でも信じられない。
けど、このままなんて嫌。
きっとあいつを陥落してみせる。
三題噺で10のお題、ブラックの7からもらったお題です。ギロって睨んでやったのに、意外な反応。突然の反応に対応できずに、自分の方が目を逸らしてしまった。そんなことは初めて。それは恋の始まり。でも、彼女は基本的に前向きですね。 それにしても、ねぇ? 彼はどうして微笑んだんでしょうね?