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鉛筆、お父さん、宇宙
すごいだろ。
「なに?」
これだよ、この鉛筆はすごいんだよ。
すごく滑らかに書けるんだ。
削らなくてもいいし。
それに、あとどれだけ書けるかも判るんだ。
ほら、この透明な部分を通して、芯がどれだけ残ってるか判るんだ。
「……」
こんな便利な鉛筆は、宇宙のどこを探しても他にはないよ!
「それで、それ、いくらしたの?」
安かったよ。
僕はお父さんだからね。 父の日の割引で、たったの千円だったんだ!
「それ、百円のボールペンよ」
文学少女風三題噺作成からもらったお題です。人のいいお父さんが、父の日に妙なものをゲットしてしまいました。 まぁ、本人が満足してるのなら……。 いやいや、でも、やっぱり人を騙すのはいけませんよね?