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ジーンズ、将棋、宇宙
将棋盤の上には宇宙がある。
自分たちの宇宙をぶつけ合う、それが対局だ。
あいつ。 また、あのジーンズ穿いてる。
俺の部屋から奪っていったジーンズを。
何かゲンでも担いでるんだろうか?
確かに、この間の対局では惨敗してしまったけど。
今日はそうはいかないぞ。
「「お願いします」」
なぁ、何で毎回そのジーンズなの?
「これ、好きな人にもらったの」
そう言って、にっこり。
え!
いや、あの、その、えぇ?
「はい。 王手」
ひきょうだ!
文学少女風三題噺作成からもらったお題です。あはは。冷静になったときの強さ、はどうなのか知りませんけど、こんなにも動揺して、まともに考えられない様じゃ、そりゃー負けますよねぇ。毎回、これでやられてるんでしょうか? でも、彼女、部屋に来てるんですね? きっと、彼女も必死に心の動揺を隠して頑張ってるんですよ。ね。