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たけのこ、ダンボール、バス
あ…。
ふと、荷物をダンボールに移す手を止め、ノートを手にした。
それは交換日記だった。
「こんな所にあったのね」
きっかけを得て、思い出が、まるで雨後のたけのこの様に溢れてきた。
それは、幼馴染が恋人に変わった瞬間の記憶だった。
気がついた時にはとなりにいた。
高校のときに、一歩近づいた。
卒業後、バスで一時間の距離が開いた。
一度は途切れてしまった。
けど今、その距離を……。
思わず笑顔になると、荷造りを再開した。
文学少女風三題噺作成からもらったお題です。 あはは。想定としては、私の王道パターンですね。幼馴染から恋人に。 高校卒業のあと、進路の違いから一度は距離が開いてしまう。 けど、どんなに淡くなることがあっても、想いが消えることはなかった。 きっかけは偶然だったのでしょうか? それとも、意識して行動を起こしたのでしょうか?