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かたつむり、ケーブル、バス
「そんなにゆっくりじゃ、意味無いよ」
ケーブルの上をゆっくりと移動するかたつむりを見て、そう呟いた。
諦めなければ、止まらなければ、いつか目的を達成できる。
そんな夢を持ってたときもあった。
だが、それじゃダメだ。
到着しても、ビリじゃ意味が無い。
走り出すバスには、無理にでも飛び乗らないといけない。
順番はとても大事だ。
でも、疲れたな…。
そんな時の、彼女の言葉。
「あなただけ、を目指して」
その言葉が僕を救った。
文学少女風三題噺作成からもらったお題です。自信を失っているときこそ、周囲と自分を比べてしまい勝ちです。 そんな時に、自分を立ち直らせた彼女の言葉。 救いの言葉が胸にしみこんで行く。 ちょっとほのぼの?