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影、怒る、缶
昔からゆずれない事がある。それはサケ缶の骨だ。
煮とろけた骨が口の中でボロッと崩れる食感がたまらない。
骨を食べられないと、ものすごい勢いで怒るので、その骨は私のものだった。
夫とも、この骨を巡っては喧嘩をした。
バカみたいって言うかも知れないけど、食べ物の恨みはオソロシイのだ。
今、夫とは協定を結び、骨は半分ずつ分け合っていた。
が、小さな影がせまり、骨が掠め取られた…。
最強の敵、それは私たちの息子だった。
みなさんは、サケ缶の骨って好きじゃないです?うちでは、やっぱり争いになります。ボロッと崩れる瞬間の食感がいいですよねぇ?ぐしゃぐしゃと身を崩して、先に骨だけ食べちゃうのは反則!ちゃんと回りも食べて、そして出てきた骨を「パク」とするのがサイコー。
うーん。あああ、サケ缶、欲しくなってきた…。