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道、灰、偽もの
交差点には出会いがある。
道と道との交わりは、出会いもあり、数多くのロマンスも生まれた。
はずだ。
だが、僕が出会ったのはロマンスとは程遠かった。
神様を名乗る老人と口論になった。
「わしは本物じゃ!」
「証拠は?」
「偽ものを、灰に変える力を与えよう」
その力は確かに本物だった。
多くのものが触れた瞬間に灰になった。
「最近、偽ものが多いのぉ…。 嘆かわしい事じゃ」
そう言う老人と握手した瞬間、彼も灰になってしまった。
これも、どうしよう…。そう思いながら、とりあえず、交差点でぶつかる処からお話が始まる、それだけ考えて書き始めました。なんとか形にはなったかと思いますが…。でも『偽もの』っていうのは何でしょうねぇ?そして『本物』っていうのも…。
まぁ神様の偽ものは多そうですね。