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ストーブ、光、夢
私には夢があった。
それはささやかな夢、暖かな家庭がほしい。
灯油の切れたストーブは、火が消えていた。
ほのかに光が差込んでいるけど、部屋は寒かった。
ちらりと、となりの、まるで熊の様な何かを見る。
「はぁ」
私はため息をつくと炬燵から這いだし、ストーブからタンクを取り出した。
その時
「貸しな」
突然、熊はそう言うと、タンクを片手に、ゆっくりと外に出て行った。
一瞬触れた手の温もりに、私は夢が叶っている事を思った。
これ、コメディに出来るかなぁ、難しいなぁ、なんて思いながら書いたら、やっぱりコメディになりませんでした…。冬のコタツは中々出たくないですよねぇ、何か用事があっても、出来るだけコタツから出たくない、そんな時に、その嫌な用事を代わってくれる、とっても些細な事ですけど、でも、嬉しいなって。