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盃、雨、叫ぶ
静まり返った部屋の中、男たちが集まっていた。
「時間だ」
リーダらしき男の言葉に、全員が一斉に立ち上がり、気合を入れ始めた。
「行くぞ!」
「やるぞ!」
「おー!」
男たちが口々に叫ぶ。
盃が配られ、男たちはそれを一気にあおると、そのまま床に叩きつけた。
かなりの覚悟が必要らしい。
男たちは雄叫びを上げ、雨の中をバシャバシャと走り出していった。
一人だけ残った男がぽつり、と言った。
「靴下、濡れると気持ち悪いんだよな」
雨をどうしようかな、と悩んで、雨の中で叫ぶかなぁ?とも思いましたけど、それも何だかありきたりだなぁ、と嫌いました。そして、盃と叫ぶを使った後、この後はどうなるんだろう?なんて思いながら書いている内にふと思った事が『濡れた靴下って気持ち悪いよね』でした。