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喀血、選挙、校門
足が重い。
校門を前に、引き返したい衝動に襲われるが、そうもいかない。
今日は生徒会の選挙で、僕が会長に立候補してるんだから。
けど、どうしてこんな事を始めてしまったのだろう?
止めてしまいたい。
いっそ結核になって、喀血でもすれば休めるだろうか?
憂鬱だ…。
その時、となりを歩いていた幼馴染が言った。
「頑張ろうね!」
その笑顔を見ると、何故か気力が湧いてきた。
そうだ。 僕が始めたことなんだ。
そう思うと前を向いた。
何か思うところがあって、生徒会長に立候補した彼。けど、疲れてしまった。そんな時、となりで元気よく励ましてくれる存在に改めて気付いた瞬間。きっと一緒に苦労しているはずなのに、まだまだ挫けてない。なら、自分も挫けるわけにはいかない。まだ頑張れる。って感じでしょうか? なんてね。