166/430
瓦、植民地、沈丁花
この国は侵略され、植民地となった。
精一杯抵抗した結果、出来たのがこの廃墟だ。
悔しいが、今、我々には奴らを追い出すだけの力はない。
心を引き裂かれながらも、住み慣れた町を出るところだ。
そんな時、視界の端に何かが映った。
そこには一枚の瓦。
となりに生えていたのは沈丁花。
ふと思い出した。
「花言葉を知ってるか?」
誰も答えなかった。 誰もが疲れ切っていた…。
「花言葉は、不滅だよ」
皆の瞳に、少し力が戻った様だった。
悔しいけど、地下に潜って力を蓄えよう、そう誓っての脱出。いずれ必ず帰って来る。その時は、侵略者を追い出すとき。 心の力が萎えそうになっているときって、占いとか、ジンクスとかを気にしますよね。 そして、そんなことを心の支えに頑張るのかな? なんてね。




