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砂糖、洪水、盗む
私は、じっと師匠の手元を見つめていた。
どうしてって、もちろん、師匠の技を盗むため。
この世界では、師匠は手取り、足取りは教えてくれない。
ただ、目の前でやってみせるだけ。
初めは、一生懸命に覚えたはずの事も、いざ自分でやろうとすると
その記憶は洪水にあったかの様に消え去り、何も出来なかった。
なるほど、砂糖を入れるタイミングは今なのね。
と言う事は、上から三段目のあれが砂糖だ。
つまり、あれがサトウと読むのね♪
うーん。洪水が微妙な感じ…。一生懸命に師匠の技を受け継ごうと、がんばる弟子。一生懸命に師匠の手元を見て、その技を…。でも、この弟子が見ていたのは手元だけじゃなかった。
脳みそが洪水になるこの弟子は、調味料のラベルが読めないのでした!ナンチャッテ…。




