裸眼、トリアージ、ハンバーガー
私は目の前のことが判らなかった。
つい一時間前まで、一緒に笑顔でハンバーガーを食べていたのに…。
けど、無理していたのか、彼は貧血で倒れ病院に運び込まれた。
付けられたトリアージ・タグは黒色。
近視が酷く、裸眼でタグの文字は読めないけど、既に死んでるってことだ。
訳が判らなくて涙も出なかった。
けど、彼は突然起き上がった。
「あなた…。 死んだんじゃなかったの!」
「俺、ゾンビだから」
嬉しくて、涙が止まらなかった。
うーん。ちょっと気が引けたんですけど、モンスターカップルにしてしまいました(推敲で消えちゃったけど、彼女の正体は吸血鬼です)最初はタグは黄色か緑色で、命に危険はない、って判定なのに死んじゃった。医療ミス、って展開を考えたりもしたんですけど、物語としてのオチがつかなくて、諦めました。
もうちょっと長編にすれば、そんな展開も可能かなあ、とも思いましたけど、やはり、こんな半端な長さで人の死を扱うのはやはり躊躇われて、えい、っと死んでるけど死んでない、ってことでゾンビのお話にしてしまいました。うは!スプラッタ!? な展開にはなってませんけど…。