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おしゃかさま、五円玉、茶封筒
茶封筒を十個作ると五円玉を一つもらえる。
その程度のバイトだけど、でも、私にはそれしかなかった。
そうしてギリギリの家計をどうにか支えていた。
そのとき、玄関から呼び声がした。
「ごめんください」
行って見ると、そこにはおしゃかさまが居た。 何の用だろう?
「あなたの作った茶封筒がコンテストで優勝しました」
「え? 封筒が?」
「茶封筒に書かれた二百文字小説がうけたんですよ」
え、じゃ、私が封筒に入れた長編ロマンは…。
うーん。おしゃかさまが意味不明です…。また作家ネタですね…。しかもかなりグダグダです。茶封筒貼りの内職をしながら、小説を書いて投稿した彼女。けど、投稿作は落選し、おまけで書いた二百文字が賞を…。うーん。人生何があるか判らない!(え?そんな話じゃない?っていうか、これはお話になってる?)