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旅行、キャベツ、ラブコメ
コトン
と音がして、原稿がポストの中に落ちた。
何の原稿かって? 「ラブコメ大賞」に応募する僕の小説だ。
一等は、なんと北海道旅行だ。
いやいや、旅行に目が眩んだ訳じゃない。
小説の内容は、少し抜けてる先輩が出会うドタバタに、一緒に巻き込まれる後輩。
ラブコメの王道だ。
書きたかったんだ…、先輩に見てもらう為に。
結果は努力賞で商品はキャベツ一年分だった。
けど、先輩は大賞を取った。
タイトルは「抜けてる後輩」だった。
自分と先輩のことをモデルに小説を書いて投稿した彼。ラブコメの王道パターンで、なんとか努力賞をもらいます。(そんな章あるのかなぁ?)けど、その大賞をとったのは、なんと先輩で、先輩視点での自分との関係のことだったって事で…。えー、はい、そのトオリです。私の王道パターンです。えっへん!
それにしても、使い道に困ったキャベツはまた賞品に化けました。一年分のキャベツって一体どういうことでしょう?